玄関ドアの修理は火災保険の対象になるの？申請方法は？
ほとんどのご家庭では、火災に備えて火災保険に加入されていることと思いますが、その保険が玄関ドアの修理や交換に適用されることをご存知ですか？
火災ではなくても、自然災害や突発的な事故による破損や不具合が対象になることがあるのです。適用される自然災害や事故の種類と対象にならないケース、申請方法について確認していきましょう。
Contents
火災保険とは
火災保険は地震保険・傷害保険・医療保険など複数ある損害保険の中のひとつです。そして火災保険の補償の対象は、火災による損害だけではなく、自然災害による損害も含まれます。
契約によって変わる補償の対象
火災保険は、建物と家財は別々に契約をします。玄関ドアは建物に含まれますので、建物契約がされていることが、補償の対象となる基本的な条件です。
家具や家電など、住宅内に置かれている家族の生活用の持ち物に損害が発生した場合には、家財契約をされている必要があります。
火災保険で適用される自然災害の種類
台風などの玄関ドアのガラスが破損したり、開閉できなくなったりしてしまった場合には、火災保険が適用されます。補償対象となる自然災害を見ていきましょう。
落雷
火災や屋根の破損など、落雷による損害は火災保険の補償の対象です。家財も契約している場合には、過電流で故障した電気製品も補償の対象にあたります。
風災
台風の他に、旋風や竜巻、暴風などの風による損害が風災です。強風で屋根瓦が飛ばされた・風で飛ばされた物が建物にぶつかって破壊されたなどのケースは風災に当たります。もし、玄関ドアに風に飛ばされてきた硬い物がぶつかって袖ガラスが割れたり、ドア本体が凹んだりした場合には、風災による損害にあたります。
雹（ヒョウ）災
雹やあられがぶつかって窓ガラスが割れたり、雨樋が破損したりするケースが雹災です。玄関ドアの袖ガラスが割れた場合は、雹災にあたります。
雪災
雪の重みや雪の落下、雪崩によって受ける損害が雪災です。雪の重みでカーポートが壊れたり、雪崩に巻き込まれて住宅が倒壊したりするケースが雪災にあたります。雪の圧力で窓や玄関ドアのガラスが割れてしまったりするケースも雪災です。雪の重みで建物が変形し、玄関ドアが開閉できなくなった場合、補償対象になる可能性があります。
ただし、雪解け水が原因の土砂災害や融雪洪水による住宅への浸水は、水災として扱われるため、火災保険の対象にはなりません。
火災保険で適用される事故の種類
空き巣や自動車事故に火災保険が補償の対象となるケースもあります。
盗難による損害
空き巣に窓ガラスや玄関ドアの袖ガラスを破られてしまったり、鍵を壊されたりしてしまった場合は、建物契約をしている火災保険の補償が適用されます。現金や宝石類など盗まれてしまった家財に対しては、家財契約をしている火災保険で補償されます。
空き巣などは他人ごとのように感じられるかもしれませんが、一日当たり約43件発生しています。
宅配業者を装う、窓ガラスを破壊して住宅に押し入る等悪質な手口による侵入強盗事件が連続して発生しています。
自動車事故による損害
通常では考えられないことですが、自動車が突っ込んできて玄関ドアが壊される事故が発生することがあります。このようなケースには、火災保険が適用されます。また、人為的に石やボールが飛んできて、玄関ドアに損害を与えた場合も、建物契約の火災保険が適用されます。
実際にこんな事故が発生しています。
＞＞＞ガードレールを突き抜けて車が住宅へ 運転していた男性（75）が大ケガ＜福島・郡山市大槻町＞
火災保険の対象にならないケース
保険料が支払われないケースや火災保険の対象にならないケースには、契約の方法・自然災害の種類・損害額・施工不良・過失が挙げられます。
契約の方法の違い
建物契約と家財契約のどちらかしか契約していない場合、契約していない方は、火災保険の対象にはなりません。申請前にどの契約をしているのか確認しておきましょう。
補償対象外の自然災害
地震と地震が引き起こす津波と、噴火による損害は自然災害ではありますが、火災保険の補償対象とはなりません。
損害額と免責金額の関係性
保険の免責金額には2つの方式があり、損害額と支払額の関係性が異なります。
フランチャイズ方式 損害額が20万円以上の場合は全額保険金として支払われるが、損害額が20万円未満の場合は保険金が支払われない
| 損害額 | 支払われる保険金 |
| 15万円 | 0円（全額自己負担） |
| 30万円 | 30万円 |
エクセス方式（免責方式） 損害額から契約時に決めた自己負担額（免責金額）を差し引いた額が支払われるが、損害額が免責金額以下の場合は保険金が支払われない
自己負担額5万円の例
| 損害額 | 支払われる保険金 |
| 5万円以下 | 0円（全額自己負担） |
| 15万円 | 10万円 |
| 30万円 | 25万円 |
施工不良による損害
玄関ドアが壊れた原因が新築時やリフォーム時の施工不良であった場合、火災保険の対象になりません。例えば、自然災害で窓ガラスが割れ、家の中に雨や雪が降り込み損害を受けた場合は、補償対象ですが、もともと住宅にあった隙間や通風孔から雨や雪が降り込み損害を受けた場合は、補償対象外です。
過失や経年劣化による損害
住宅にもともと経年劣化による歪みがあった場合や、雪おろしの際に誤って雪を庇に落として破損してしまったなど、過失による損害は雪災の補償対象外です。
火災保険の申請方法と請求の仕方
まず注意したいことは、被害を受けたら早めに申請するということです。火災保険の請求期限は保険法で3年と定められている為、その期間を過ぎてしまうと申請できません。もちろん、申請するまで損害個所の修理や交換をしてはならないということではありません。
早いに越したことはありませんが、先に修理や交換をしてしまっても、期間内であれば申請できます。ただし、損害の状況を申請の際に報告しなくてはならないので、修理や交換前に被害の状況がよくわかる写真を撮っておきましょう。
申請前の注意ポイント
- ① 3年以内に申請する
- ② 被害状況の写真はすぐに撮る…片付けを始める前にまず写真を撮りましょう。
被害状況がよくわかる写真とは？
- ① 建物の所有者が特定できるよう表札や看板が映っている
- ② 建物全体が映っている
- ③ 損害を受けた個所が詳細に映っている
火災保険請求の流れ
それでは申請の方法を確認していきましょう。
- ① 保険会社に連絡
保険会社に連絡し、契約者氏名・保険証券番号・事故内容・被害状況などを伝えます。 - ② 書類に記入
数日すると保険会社から、保険金の請求に必要な書類が届きますので、書類に必要事項を記入します。 - ③ 必要書類を提出 保険会社から送られてきた保険金請求書といっしょに修理費用の見積書・被害の状況がわかる写真などを提出します。
- ④ 保険会社の鑑定人による調査
保険会社から派遣された鑑定人が現場の調査をしに来ます。 - ⑤ 保険会社による保険金の審査
事前に送った申請書類と鑑定人の調査結果を踏まえ、保険会社が保険金の審査をし、支払額を決定します。 - ⑥ 保険金の入金
指定口座に決定した保険金が降り込まれます。
審査の結果によっては、保険金の支払額が決まります。状況によっては支払われないこともあります。また、玄関ドアを交換する場合、審査が通っても支払われる金額は、現在のドアと同程度のドアとの交換費用です。
せっかく交換するなら最新の機能付きドアにしたいという場合には、上乗せ分を自分で支払う必要があります。
自然災害や事故は避けたいものですが、注意していても避けられないこともあります。被害を受けてしまった場合には、ケースによっては火災保険が適用されるので、契約している保険を確認してみることをおすすめします。
玄関ドア交換に際して、修理見積書はどうやって作るのかしら…？などわからないことがありましたら、お気軽にご相談ください。
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