準防火地域の玄関ドアリフォームは防火戸にする？
準防火地域にお住いのご家族が玄関ドアリフォームを計画される際、防火戸が普通の玄関ドアと比較すると、割高であることに気がつかれると思います。
一般的な玄関ドアと比較すると10万円以上の差が出てしまうことを考えると、必ず防火戸にしなくてはならないのか、本当に効果があるのかなどと感じることがあるのではないでしょうか？
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準防火地域の玄関や勝手口には防火戸が必須
新潟市内では中央区は広い範囲で防火・準防火地域になっています。その他の区も駅周辺は防火・準防火地域に指定されています。長岡市内は市役所を中心に防火地域、その周辺に準防火地域が拡がっています。
そして、防火・準防火地域内の建物には防火戸を設けることが建築基準法で定められています。普通の戸建て住宅なのに防火戸は本当に必要なのだろうかと思われるかもしれませんが、火災の延焼を防ぐ為には必要なルールです。
平成31年に防火設備の構造方法についての法改正があり、現在はその基準にのっとった防火戸が各メーカーで製作されています。従って、防火・準防火地域内の住宅が玄関ドア交換のリフォームをする際には、建築基準法の基準を満たす防火戸を選ぶことが義務付けられています。
防火・準防火地域とは？
市街地のなかでも、家屋が密集しているところでは、火災が発生した場合、被害が大きくなる恐れがあります。そのため、集団的な都市防火を図ることとして、防火地域、準防火地域及び法第22条区域を定めています。
それらの地域・区域内では、建物の構造や延焼のおそれのある部分について制限があります。たとえば、準防火地域内では、木造の建物でも、延焼のおそれのある部分については、外壁や軒裏などは防火構造に、出入口や窓は綱入ガラスなどの防火設備にしなくてはなりません。
現在の玄関ドアが防火戸であれば、防火・準防火地域であることが分かりますが、築年数の長い住宅では防火戸になっていないことがあります。
その場合には、新潟市が公開している新潟市地図情報サービス「にいがたeマップ」で自宅のある地域が防火・準防火地域であるかどうかを確認することができます。
防火戸でも断熱性は確保できる？
もし、現在の防火戸に断熱性がない場合、玄関内が夏は熱く、冬は寒いから普通の断熱玄関ドアに変えたいと思われるかもしれません。ただ、現在は断熱性のある防火戸があるので、防火戸に交換しても暑さ寒さに悩まされる心配はありません。
平成31年の法改正によって鉄製の扉意外に断熱性能のある樹脂製の扉、網入りガラス以外などの防火ガラスとLow-E複層ガラスを組み合わせることができるようになりました。
（１）使用できる枠の種類の追加（防火設備告示第１第６号から第８号まで）防火設備の枠については、これまで使用可能であった鉄製のもののほか、住宅等に一般的に使用されるアルミニウム合金製（屋内側が樹脂で造られたものを含む。）のもの、断熱性に配慮した樹脂製や木製のものについても、告示に位置付けることとした。
また、従来鉄製の枠に含まれることとしていた鋼製の枠についても、位置付けを明確化した。（２）使用できるガラスの種類の追加（防火設備告示第１第５号から第８号まで）ガラスについては、これまで使用可能であった網入りガラスのほか、防火上有効に炎を遮ることができることが確認されている耐熱強化ガラス、耐熱結晶化ガラスなどの防火ガラスについても、告示に位置付けることとした。
なお、断熱性に配慮し、上述の防火ガラスと一定の低放射ガラス（Low-Eガラス）との組み合わせによる複層ガラスを使用することも可能としている。
引用：国土交通省【平成30年３月22日公布・施行】防火設備の構造方法を定める件の一部を改正する件の施行について
防火戸が割高な理由
YKKAPの防火戸は防火性能を高めるためのさまざまな特長を備え、個別の商品毎に20分の防火性能について国土交通大臣の認定を受けた玄関ドアです。割高ではありますが、家族の安全が維持され、安心な暮らしが手に入ります。
火災時の家族の安全の為に、防火戸には延焼を防ぐ為3つの性能が求められます。
遮炎性能
- 遮炎時間60分間・加熱面以外の面に火炎を出さない時間20分間
- 令第109条の2 第112条第1項・第19項第一号
遮煙性能
- 火災による煙が上階に燃え広がることを防止する
- 告示第2564号
安全性能
- 周囲の人の安全を確保することができる
- 令第112条第19項第一号ロ・告示第2563号第１第一号ロ
これらの性能を満たす為、防火戸には構造上の基準があり、この基準を満たす為には一般的な断熱ドアよりも高額な資材を使う為に、防火戸そのものも割高になっていきます。
玄関ドアの断熱性を活かす為に気密材が使われますが、防火戸では燃えにくい難燃性気密材が使われます。その他にも、玄関ドアと玄関の枠の間から炎が出ていくことを防ぐ為に、熱が加わると膨らむ加熱発砲材、熱しても割れにくいガラスなどが使われています。
YKKAPの断熱性のある防火戸のデザインと価格
防火への心配はなくなるけれど、防火戸にするとデザインの選択肢が少ないから玄関周りをおしゃれにできなくて残念だな…と思われることもあるのではないでしょうか？
また、普通の玄関ドアより高いというけれど、実際にはどのくらいの価格なのだろう？という不安もあることと思います。
確かに防火戸のデザインの選択肢は普通の玄関ドアより少なくなってしまいますが、それでもおしゃれなデザインが揃っています。親子ドアを例にとって玄関ドアのデザイン別に価格を見ていきましょう。
ナチュラルテイストの防火戸
ドアリモ N06 親子ランマ無
工事費込みのリフォーム費用 611,050円
ドアリモ N10 親子ランマ無
工事費込みのリフォーム費用 598,400円
シックテイストの防火戸
ドアリモ C04 親子ランマ無
工事費込みのリフォーム費用 594,550円
ドアリモ C08 親子ランマ無
工事費込みのリフォーム費用 585,200円
シンプルテイストの防火戸
ドアリモ F03 親子ランマ無
工事費込みのリフォーム費用 518,650円
片開きドアや片袖FIXドアは、こちらにあげた価格より低価格、袖付き親子ドアや両開きドアは高価格です。
防火戸で選べるスマートキーなどのオプション
防火戸には残念ながら通風機能はつけられませんが、それ以外は普通の玄関ドアと同じように様々なオプションが用意されています。
スマートキー
防火戸にも玄関ドアと同じように手動キーは標準仕様で付けられていますが、オプションでスマートキーにする選択肢も用意されています。
ポケットキー
リモコンをポケットやバッグに入れておくと、玄関ドアのハンドルを押すだけで施解錠できるスマートキーです。
ポケットキー（リモコンキー2個+タグキー3個+スマホ認証+非常用キー5本）￥66,000
ピタットキー
リモコンキーより少し小ぶりなタグキーをドアハンドルに近づけて施解錠するスマートキーです。
ピタットキー（タグキー3個+スマホ認証+子鍵2本+非常用キー3本）￥34,650
どちらも非常用の鍵が内蔵されているので、電池切れや停電の際に開錠できず閉め出されるという心配がありません。また、専用のアプリをDLするとスマートホンでも施解錠できます。
断熱性能
YKKAPの玄関ドアにはD4とD2という2つの断熱仕様があります。標準はドア本体に断熱材が充填され、袖や窓に複層ガラスが使われているD4仕様です。
D2は枠の部分にも断熱材が使われている他、ガラス部分にはLow-E複層ガラスが使われているより断熱性の高い仕様です。新潟では冬の寒さが厳しいことや、市内では夏に都市型気候の影響で、温度の高い日が続くことを考えるとD4仕様が向いています。
D2仕様のオプション料金 ￥21,450
火災は起こってはならないことであり、一生体験しないことの方が多いことでもあります。ただ、高額ではありますが、防火戸があれば周辺の住宅の延焼から家族を守り、万が一自宅から火災が発生した際には、周辺の住宅への被害を抑えられます。
法を守るという考えも大切ですが、家族の安全を守り、周辺住民に迷惑をかけないという現実的な目的を達成するという意味でも防火戸は重要です。
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防火戸は家族の安全を守る大切な役割を持った玄関ドアです。そして防火戸への交換の際には、玄関周りの印象を良くしたり、断熱や防犯の機能を向上させたりもできます。
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