勝手口の扉はアルミドアだけ?ガラスなしや親子ドアにも変えられる?
玄関ドアは、ドア本体の内部に断熱材が充填されている断熱ドアが主流ですが、勝手口にはアルミ樹脂複合サッシと複層ガラスが使われた断熱仕様の扉が使われています。
勝手口のリフォームに際して、扉の断熱化の他に採風機能を持たせたり、ガラスなしの扉にしたり、親子ドアにして通行の幅を拡げたりすることもできるのでしょうか?
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断熱仕様の勝手口ドアとは?
玄関ドアの中でアルミドアと言えば、非断熱ドアを指します。そして勝手口ドアにも従来のアルミドアもありますが、現在の主流は断熱仕様の勝手口ドアです。
YKKAPの勝手口ドアはサッシとガラスが組み合わされた窓に似た構造ですので、断熱玄関ドアのようにドア本体に断熱材を充填することができません。その為、断熱窓と同じように室内側のサッシにはアルミ樹脂複合サッシ、室外側のサッシにはアルミ、そしてガラス部分には複層ガラスやLow-E複層ガラスが使われています。
ガラスは6種類の複層ガラスから目的に合わせて選べます。
- ① 寒さや暑さが厳しくないキッチンには一般的な断熱性能の複層ガラス
- ② しっかり断熱したいキッチンにはLow-E複層ガラス断熱タイプ
- ③ 夏に日射熱が強く入り込むキッチンにはLow-E複層ガラス遮熱タイプ
- ④ 防犯性を高めたいキッチンには防犯合わせ複層ガラス
- ⑤ 断熱と防犯を強化したいキッチンには防犯合わせLow-E複層ガラス断熱タイプ
- ⑥ 遮熱と防犯を強化したいキッチンには防犯合わせLow-E複層ガラス遮熱タイプ
1~6のうち、地域の気候や玄関周辺の環境に合わせて選べば、どのタイプの扉を選んでも、キッチン内は設定温度を必要以上にあげたり下げたりせずに、快適な室温が維持できるようになります。
その理由は扉での断熱に加えて、カバー工法での工事によって隙間がなくなることも挙げられます。新築から年数が経つと生まれてしまう勝手口ドアの枠と、勝手口の扉の間の隙間が解消されるのです。
その結果、隙間から暖房の熱が逃げたり、冷気が侵入してきたりすることがなくなり、暖房の効率が良くなります。夏は涼しさが逃げたり、熱気が侵入して来たりしません。
ガラスなしの勝手口ドア
一般的に勝手口ドアは格子の有無はありますが、全面的にガラスになっているデザインです。全面的にガラスになっている理由の一つは、明るさを採り込む為です。勝手口ドアの向いている方角や、周辺の景観によっては、採光量の多い格子のないデザインが向いていることもあります。
一方、勝手口周辺の環境によっては、外部からの視線が気になったり、防犯性に不安があったりすることもあると思います。このような場合には、格子付きのデザインにすると、視線や防犯の不安が解決されます。
ただ、完璧に視線が入らないようにしたいという場合には、勝手口ドアではなく、事務所や倉庫の出入り口に使われる汎用ドアを応用することもできます。ガラス部分のないフラッシュドアの他に換気ができるガラリ付きや小窓がついたデザインもあります。
通風機能のあるガラス部分が窓になっている勝手口ドア
勝手口ドアにはガラス部分が動かないデザインと、上げ下げできるデザインがあります。この上げ下げできる窓の付いた勝手口ドアには通風機能があり、ロックしたまま風を採り入れられます。
キッチンは調理で水蒸気やニオイの発生する量が多いので、風通しが悪いと湿度が上がったり、ニオイが籠ったりしてしまいます。湿度が上がると、結露が発生してカビが生えやすくなり、家の中のどこよりも清潔を維持したい場所であるにもかかわらず、衛生状態が悪くなってしまいます。
また、ダイニングやリビングと並んでいる間取りでは、食後の寛ぎの時間にニオイが気になってしまうこともあります。窓を上げ下げできる勝手口ドアなら、手軽に換気ができるのでキッチン内が爽やかになります。
勝手口ドアを親子ドアには交換できない
玄関ドアには間口の幅に合わせて片開きドアから両開きドアまで主に3種類の間口の幅に対応する開き方タイプが複数あります。その中のひとつが親子ドアです。親子ドアは、片開きドアと子扉を組み合わせたドアです。そして勝手口ドアは片開きドアです。
そして勝手口ドアには、どのメーカーにも共通して標準規格寸法が定められています。3尺未満なら枠の幅650mm、3尺系なら740mm、又は790mmです。
出典:一般社団法人 日本サッシ協会「住宅サッシ/住宅出入り口商品「標準規格寸法」寸法設定と標準規格について」
詳しくはこちらのコラムをご覧ください。【勝手口のサイズ】扉の規格寸法と勝手口ドアの特徴
一方、玄関ドアのサイズは最小で790mm(バリアフリー890mm)です。親子ドアであれば、1145mm、又は1245mmです。
カバー工法では枠よりも大きいサイズの扉には交換できません。壁を壊すという大掛かりな工事をしない限り、勝手口ドアから親子ドアへの交換は不可能です。カバー工法は今ある枠の上に新しい枠を被せ、新しいドアを取り付けるという工法です。その為、1日で工事が完了し、費用も抑えられます。
一方、枠を壊して間口を広げドアを交換するとなると、壁を壊さなくてはならず、非常に費用が嵩みます。ただ、親子ドアにする目的が通行の幅を広げることにある場合には、別の方法が考えられます。
勝手口ドアの横の壁に戸を引き込むだけの幅があれば、スライディングドアに交換できます。間口の幅は広がりませんが、前方に扉が飛び出てこなくなるので、通行しやすくなります。
網入りガラス入りの勝手口ドアの危険性
古い勝手口ドアの中には網入りのガラス窓がついているタイプがあります。網が入っているガラスはガラス破りの被害に遭い難そうだから防犯性が高いと思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
残念ながら網入りのガラスに防犯性は全くありません。ガラスを壊した後に、簡単に切られてしまいます。この網入りのガラスは火災が発生した時に、ガラスが飛び散らないようにする目的で使われているのです。
網入りガラス以外にも、古いタイプの格子付きの上げ下げ窓がついている勝手口ドアも防犯という観点から考えると危険です。
- ① 鍵が1つしかついていない
- ② 簡易な鍵がついている
- ③ 上げ下げ窓を開けた時にロックできない
- ④ 簡単に取り外せる格子がついている
- ⑤ 格子の幅が広い
5つのチェックポイントの内、一つでも当てはまる項目があるとしたら、それは防犯に不安がある勝手口ドアです。
それなら、防犯という面から考えるとガラスなしのドアの方が良いのかと考える方もいらっしゃるかもしれません。ただ、特殊な事情がない限り、ガラスなしの勝手口ドアは避けた方が良いです。
ガラスの入った勝手口ドアはキッチン内を明るくします。ガラス部分が上げ下げ窓なら風通しも良くなります。それでは、明るく風通しの良い状態を創れる勝手口ドアで防犯性の高いドアとはどのようなドアなのでしょうか?
- ピッキングに強いディンプルキーが使われている
- 2ロックになっている
- 格子の幅が狭く隙間から腕が差し入れられないようになっている
- こじ破りに強い鎌錠が使われている
最低限この4つを満たしていることが、防犯性の高い玄関ドアの条件です。見通しが悪いなど玄関周りの環境に不安がある場合には、さらに、防犯合わせガラスや脱着サムターンを採用すると、より防犯性が向上します。
最新の勝手口ドアには、季節に応じた室温調整をしやすくする、キッチン内を明るく風通しよくする、防犯性を高めるという3つの働きがあります。そして、親子ドアには変えられませんが、その他の方法で通行のしやすさを得る事もできます。
冷暖房の効率を良くしたい、明るくしたいなどのキッチン内の環境への希望も、通行しやすくしたいなど出入りに対する希望も、勝手口ドアの交換で解決できます。勝手口ドアにお困りのことが出てきた時にはお気軽にご相談ください。
勝手口ドアの交換で活用できる国からの補助金
こどもエコすまい支援事業は、省エネ性を高めるリフォームへの支援を主な目的とする補助金です。玄関ドアや勝手口ドア、窓の断熱化などの省エネ性を高めるリフォームとバリアフリー、防犯性向上などのリフォームを組み合わせることもできます。
多くの人が活用を計画している為、予想外に早く予算が上限に達して申請受付が終了することが予測されます。補助金の利用を考えている場合には、早めに検討を始めることをお勧めします。
勝手口ドアの交換は専門店の窓屋窓助で!
私達は、窓・玄関ドア・エクステリアのリフォームを通じて、地域の皆様の夢や暮らしに貢献させていただきたいと願っています。
勝手口ドアの交換をすると、風通しが良く明るいキッチン、夏涼しく冬暖かいキッチンが実現します。状況によっては引き戸に交換して開閉や通行のしやすさを得ることもできます。
キッチンを快適にしたいな…と思った時はお気軽にご相談ください。
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