二重窓なのに結露が発生する理由と対策

二重窓なのに結露が発生する理由と対策

断熱対策で高い効果をあげる方法には窓の断熱化が挙げられます。そのうちのひとつが「部屋の内側に窓を設けて二重窓にする」というリフォームです。内窓で断熱性が向上すると結露が抑えられ、カビも防止できます。

ところが、二重窓にしても結露が解決しないというケースがあります。二重窓の仕組みから結露が無くならない原因と対策を考えてみましょう。

窓の断熱が結露を抑えられる理由

プラマードU 結露を防ぐ

二重窓は部屋の内側に新しい窓を設ける窓の断熱対策です。内窓のガラスとサッシに加え、内窓と外窓の間の空気層が熱の伝わりを抑えます。その結果、暖房の熱が逃げる率が低下し断熱性が高まります。同時に内窓と室内の温度差が抑えられ、結露の発生が抑えられます。

結露が発生する理由

冬は外気温が下がりますが、室内では暖房をしているので外気温と室温との差が拡がり、外気に直接触れている窓ガラスは冷たくなります。一方、室内は調理や入浴などで発生した水蒸気を含んだ暖かい空気で満ちています。

この暖かい空気が冷たくなった窓ガラスにあたると、結露が発生します。空気には暖まると水蒸気を含み、冷えると水蒸気を含みきれなくなるという性質がある為です。空気が含んでいた水蒸気は冷たいガラスにあたって水滴になり、結露という現象を起こしてしまうのです。従って、熱を通しやすい素材ほど結露の発生率は上昇します。

例えば冷たい飲み物を入れたグラスに水滴がつく、寒い日に外でマスクをしていると眼鏡が曇るというような現象も結露です。

二重窓にしても結露が発生する理由

ではなぜ、空気層で熱の伝わりを抑えているにもかかわらず、二重窓にも結露が発生してしまうのでしょうか?

その理由にはガラスの種類とサッシの素材、気密性の程度の違いが挙げられます。

ガラスの種類

ガラスには単板ガラス、複層ガラス、Low-E複層ガラス、トリプルガラスがあります。この中で内窓に使われるガラスは単板ガラス、複層ガラス、Low-E複層ガラスの3種類です。一般的な薄い単板ガラスには、熱の伝わりを抑える働きが全くありません。その結果、内窓の内側と外側の温度差が抑えられる率が低く、結露が発生してしまいます。

サッシの種類

内窓のサッシにはアルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシがあります。アルミサッシは単板ガラスと同じように、熱の伝わりを防ぐ働きがありません。その為、二重窓にしても結露が発生してしまいます。

アルミ樹脂複合サッシは、アルミサッシよりは結露を防ぐ率は高いのですが、温度差が大きくなると結露を抑えきれません。

気密性

樹脂サッシとLow-E複層ガラスを組み合わせた内窓にしたとしても、窓枠と内窓の間に隙間があると、暖かい空気が窓と窓の間の空気層に入り込んでしまいます。その結果、外窓と内窓の間の湿度が上がってしまい、外窓に結露が発生してしまいます。

外窓と内窓の距離

外窓と内窓の距離によって、結露の発生率が変わります。外窓と内窓の間が70mm以上離れていたり、近すぎたりすると、空気層による熱を抑える効果が低下し、結露が発生してしまいます。

内窓を設ける際には、現地調査を依頼し、効果が上がる距離をとって内窓を設置できるのかということを確認する必要があります。

結露の発生率を抑える内窓のガラスとサッシ

プラマードU before after

樹脂サッシとLow-E複層ガラスの内窓が、最も結露の発生率を抑えます。一般的な単板ガラス+アルミサッシアルミ樹脂複合サッシ+複層ガラス樹脂サッシ+Low-E複層ガラスの順で、結露の発生率が下がっていきます。熱の伝導率が低いガラスとサッシが組み合わされた内窓ほど、結露の発生率を抑えられます。

例えば、北海道や東北など、冬の気温が著しく低下する地域では、アルミ樹脂複合サッシ+複層ガラスでも結露が発生してしまいます。一方、静岡などの温暖な地域では、アルミ樹脂複合サッシ+複層ガラスで結露が抑えられます。

比較的温暖な気候の関東地方でも、一般的な単板ガラス+アルミサッシの内窓では、結露は抑えられません。内窓の基本は外窓よりも高い断熱性を持っていることです。従って温暖な気候の地域であっても最低限アルミ樹脂複合サッシ+複層ガラス、理想的には樹脂サッシの内窓を採用することが、結露対策として役立ちます。

結露が発生させるカビやダニ

グラスや眼鏡の結露なら水滴を拭き取れば解決しますが、窓や家具の裏などに結露が発生してしまうと、カビが発生してしまいます。窓枠や家具の裏側にカビによるクロズミが出てしまうと、吹き掃除をしても落としきれなくなってしまうことがあります。

また、カビは見た目の汚れだけではなく、胞子を空気中に振り撒くので空気も汚してしまいます。さらに、カビを餌にするダニも増殖してしまう恐れがあります。そうなると、空気環境はさらに悪化し、アレルギーなど家族の健康に悪影響が出る恐れがあります。

その為、せっかく内窓を設置するのであれば、断熱と防音だけではなく、結露の発生を抑えるという効果も十分に得られる内窓にすることが大切です。

アレルギーの患者さんにとって、ダニやホコリ、カビなど、室内環境にある吸入アレルゲン回避のための整備は重要です。いずれも室内からなくすことはできませんので、神経質になる必要はありませんが、ちょっとした工夫とこまめな掃除で増えないようにすることで、より快適な環境を作ることができます。

引用:一般社団法人日本アレルギー学会 アレルギーポータル アレルギー対策 室内環境の整備

結露を発生させない為に必要な対策

換気で結露を予防

結露を発生させない内窓にする為には、ガラスの種類とサッシの素材の選び方が重要ですが、それ以外にも必要な対策があります。

内窓と外窓の間の換気

日中に短時間、内窓は閉じたまま外窓を開け、外窓と内窓の間の換気をすることで、窓と窓の間の湿度上昇が抑えられ、結露の発生が抑えられます。

室内の換気

気密性が高まるほど断熱性は向上しますが、その一方、隙間風などの自然換気がなくなるので、室内の換気は悪くなります。その結果、結露が発生しやすくなってしまいます。

 加湿器の使用を控える

 室内に洗濯物を干さない

 観葉植物の鉢を置き過ぎない

 カーテンやシャッターなどは明るい時間帯には開けておく

 調理中には換気扇を回す

などに注意して、家の中の湿度が必要以上に高くならないようにしましょう。

なぜ換気しないといけないの?
①汚染物質を部屋の外に出したり、薄めたりするため
閉めきった部屋は、空気が部屋の外に出にくいため、汚染物質がずっと部屋の中に存在したり、増えたりしたままの状態になってしまいます。そして、その空気が、人間に対して悪い影響を与えるからです。
これらの汚染物質を部屋の外に出したり、薄めたりするためには換気がとても大切です。

引用:DAIKIN上手な換気の方法~住宅編~

出窓に内窓をつける方法も結露対策として有効

内窓を設置した出窓

燕市 ガラスコーナー出窓へ内窓の設置

出窓は外に張り出しているので、一般的な窓よりも外気温の影響を受けやすい窓です。その為、冬になると結露の発生に悩まれている方が多いのではないでしょうか?この出窓に結露対策として二重窓をつけるという方法があります。断熱性が向上し、結露の発生も抑えられます。

出窓の場合、外窓と内窓の間の距離が長くなってしまうので、一般的な窓よりガラスやサッシの選び方が結露防止効果の高さに影響します。現地調査の際に、ガラスやサッシの選び方、内窓の設置方法について十分な説明を受けましょう。

結露を発生させない二重窓へのリフォームの施工事例

せっかく内窓を設けても結露対策として不十分であれば、結露の悩みは解決しません。断熱性と気密性の高い内窓を選んで、結露を発生させない二重窓にしましょう。

最後に結露を発生させない二重窓の条件を確認しておきましょう。

地域の気候に合わせてガラスとサッシを選ぶ

新潟エリアでは樹脂サッシとLow-E複層ガラスの組み合わせがおすすめです。

気密性の高い内窓を選ぶ

単板ガラスの中には防音性・防犯性の高い厚みのあるガラスもあります。結露と同時に防音もしたいという場合には、樹脂サッシ+厚みのある単板ガラスの組み合わせが有効です。

内窓を設置し、二重窓にして結露を抑えることに成功した施工事例をご覧ください。

外窓のガラスの装飾を活かす透明ガラスの内窓

長岡市 内窓設置工事~断熱・結露減少対策

外窓には美しい和風装飾ガラスが使われていました。その雰囲気を損なわないよう透明のペアガラスの内窓を設けた事例です。

内窓設置で建付けの悪さを解消

柏崎市 窓交換工事・内窓設置工事~結露対策と断熱対策は簡単工事♪

地震のゆがみで生じていた建付けの悪さも解消して気密性が高まり、結露が発生しない窓になりました。

二重窓へのリフォームは結露防止に役立つだけではなく、断熱性を高める効果も得られます。その結果、「少ないエネルギーで暖かく冬を過ごせる室内環境」が調います。また、防音効果もあるので、結露以外に騒音の悩みがある場合には二重の効果が得られます。

ただ、結露も断熱も騒音も「内窓のガラスとサッシの選び方」で効果の高さが変わります。現在の状況に合わせて最適な内窓を選ぶことが問題解決に繋がります。

どんな内窓がいいのかしら…?この環境なら窓交換の方が効果があるのかも…など、疑問がありましたら、いつでもお問い合わせください。お家の状況に合わせて最適なご提案をさせていただきます。


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