風通しの良い家は間取りを変えなくても実現する
空き地だった場所に隣家が建ち、風通しが悪くなってしまった、もともと窓の位置が悪く風通しが悪かった…このような家に住む人には、風通しに良い家にしたいという思いがあるのではないでしょうか？
窓の位置は変えられないし、間取りを変えるとリフォーム費用が嵩むから仕方がないと思いもあるでしょう。でも風通しを良い家にする方法はあります。
風通しの良さが住宅には欠かせない理由
風を通して換気をしなくてはならない理由は、家の中から汚れた空気を外に出さなくてはならないからです。家の中の空気には、カビの胞子やダニの死骸、花粉、ウィルス、揮発性有機化合物、ホルムアルデヒドなどが含まれています。もしその空気が家の中に留まってしまうと、アレルギーや感染症を発生する恐れがあります。
特に今は、コロナウィルスに対する不安がある時期です。換気の良さは欠かせません。家族の健康を守るためには常に空気が入れ替わっていることが必要なのです。機械換気も必要ですが、機械換気だけではなく家の中を吹き抜けていく風も換気に大きく役立ちます。
また、風通しが悪い家では嫌な臭いが発生したり、カビが生えやすくなったりもします。嫌な臭いは暮らしの快適さを損ないます。また、家族は鼻が慣れてしまって臭いを感じなくなってしまっていれば、来客があった際に、臭いのせいで住宅の印象は著しく損なわれます。
家の中を通り抜ける風は、室内から汚れた空気を排出してたくさんの酸素を家の中に運び込んでくるので、気分がリフレッシュするという効果もあります。
参考サイト DAIKIN 上手な換気の方法～住宅編～
風通しの良い家にする為に新築時ではなくてもできること
風通しの良い家にする為には、風の通り道を確保する必要があります。その為には、地域の風の性質、住宅周辺の環境に合わせて窓を配置する、窓から窓へと風が通り抜けていくよう対面の窓にする、立体的な風の通り道を創る為に窓に高低差をつけるといった窓の計画が求められます。
ただ、それは新築時でなくてはできません。また、新築時にはそれらに配慮して窓計画を立てたにもかかわらず、空き地だった隣地に戸建て住宅が建ち、周辺にマンションが増えてしまったというような事情で風通しが悪くなってしまったということもあるでしょう。では今の窓の配置のまま、換気を良くするためにはどのような方法があるのでしょうか？
窓から窓へと風が通り抜けていく対面の窓に代わる窓
対面の窓がない場合、ウィンドキャッチ窓とも呼ばれる縦すべり出し窓にすることで、壁に沿って通りに抜けていく風を家の中に採り込めます。縦すべり出し窓は、縦を軸にして窓ガラスが外側に向かって開く窓です。壁に沿って通過してしまう風がガラス面にあたり家の中に入ってきます。
窓の大きさにもよりますが、ウィンドキャッチ連窓に交換できれば、より多くの風が取り込めます。ウィンドキャッチ連窓は中央にFIV窓、両側に縦すべり出し窓で構成されている窓です。
参考サイト YKKAP ウィンドキャッチ連窓
「かんたんマドリモ ウィンドキャッチ連窓 普通の窓との比較」篇
風通しの良い家にする窓のリフォーム
窓のリフォームには断熱や防音に役立つ内窓設置というリフォームの他に、窓交換というリフォームがあります。窓交換は、ガラスの選び方で断熱性能や遮熱効果が得られ、ウィンドキャッチ連窓への交換によって風通しの良さが得られます。
窓交換は今ある窓枠の上に新しい窓枠を被せ、新しい窓に交換するというカバー工法で行うので数時間で工事が完了します。引き違い窓からでもウィンドキャッチ連窓に交換できます。
■ 窓は陽射しと風、外の景観を家の中に採り入れる、雨や風、外部の砂ぼこり、騒音を侵入させないという役目を果たしています。さらに窓の機能によっては、熱の出入りを防ぎ、住宅の断熱性を高める働きもします。
コラム サッシで変わる窓の種類と特徴
■ 樹脂サッシと複層ガラスやトリプルガラスとの組み合わせである樹脂窓は、住宅に出入りを熱の量を抑える働きをします。そしてその効果は、ガラスの種類によって変わり、ガラスの種類によって価格が変わります。
立体的な風の通り道を創る為に窓に高低差をつける方法
新築であれば、吹き抜けを設けて窓に高低差をつけるといったことができますが、リフォームでそこまでの間取り変更をすると、数千万円の費用がかかってしまいます。窓の位置を変える為に外壁を取り払うスケルトンリフォームをすれば、新築時のように自由に窓を設け、吹き抜けやスキップフロアなど空間を縦に拡げる間取りにでき、立体的な風の通り道が生まれます。
ただ、築数十年という住宅には、そのような大掛かりなリフォームはもったいない話であり、残りの住宅ローンを考えてみれば現実的ではありません。そこで考えたいことが玄関ドアのリフォームです。玄関ドアを交換するだけで家中の換気が良くなるからです。玄関ドアを交換するだけで家中の換気が良くなるなんて信じられない…と思われる方は多いのではないでしょうか？玄関ドアからの風が家中の換気を良くすることにはちゃんとした理由があります。
玄関からの風が家中の換気を良くする理由は、風の通りに道が立体的になるからです。玄関からの風は1階の窓だけではなく、2階の窓へも抜けていき、吹き抜けのある家のような換気の良さが生まれます。また、空気には暖まると上昇するという性質があります。その特性によって、家の中の熱が2階の窓から排出され、気温が高くなる時期には、家の中を涼しくする効果も生まれます。
風を採り込む玄関ドアとは？
玄関ドアの中には住宅の断熱性を高める断熱ドアがありますが、その他に通風機能の付いた玄関ドアもあります。ドア本体、または子扉に風を通す通風機構がついているドアです。一般的な玄関ドアの場合、玄関からの風を採り入れようとすると、ドアを開放しておかなくてはなりません。
その為、気温が上がる季節にはドアに網戸をつけて玄関からの風を採り込んでいるご家庭もあるでしょう。ただ、網戸は虫の侵入を防ぎますが犯罪は防げません。網戸にもロックがついていますが、このロックは強風などで網戸が自動的に開いてしまわないようにする為のロックです。防犯性を向上させる機能はありません。
一方、通風機構のついた玄関ドアは玄関ドアをロックしたまま、通風機構を開けて風を採り込める防犯性に配慮された玄関ドアです。網戸の場合には、玄関が視界に入る位置に家族がいないと危険です。一方、通風機構のついたドアは、玄関ドアが視界に入らない位置に家族がいても、心配ありません。
防犯に配慮
断熱ドアについている通風機構は、縦に細長い内開きのすべり出し窓です。非常に幅が狭いので、人が通り抜けることはもちろんできず、腕を差し入れて内側の鍵を操作することもできません。アルミドアには上げ下げ通風機構がついています。
プライバシーに配慮
開く角度が40度までに制限されているので外からの視線を遮ります。
安全性に配慮
内開きでは玄関内部が狭くなったり子どもが引っかけてしまったりするのでは…？と心配されるかもしれませんが、通風機構は安全性にも配慮されています。開く角度が40度までに制限されているので、デッドスペースが少なく、万が一接触してしまった際には、窓が閉じる方向に動くようになっています。
虫に配慮
通風機構には網目の細かいネットが張られています。網戸をしているのに子虫が入ってくるというようなことのないよう、高性能なクリアネットが標準で採用されています。交差部が融着されているので、埃が溜まりにくく掃除がしやすいという良さもあります。
親子ドアなら通風子扉で好きなデザインが選べる
親ドア本体のデザインは、外観デザインだけではなく、玄関周りの環境にも合わせて選ばれることと思います。その際に、風を採り入れられる玄関ドアにしたいけれど、通風機構のついたドアの中には好みのデザインがない…という場合には、通風子扉と好みのデザインを組み合わせるという方法があります。
風通しの良い家にする玄関ドアのリフォーム
玄関ドアのリフォームも窓と同じようにカバー工法で行います。朝始めて夕方には完了する手軽な工事で、風が抜けていく家に生まれ変わります。この際、断熱ドアを選ぶと、冬の寒さや家全体の室温低下も改善されます。
■ 玄関からの風は家中の換気を良くします。玄関からの通風にはメリットだけでデメリットはないのでしょうか？
風が通りにくい原因に合わせて窓や玄関をリフォームをしませんか？涼しい風が通り抜けるきれいな空気の家は快適に暮らせます。ぜひ私たちに、換気の良い家にするお手伝いをさせて下さい。
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