玄関の通風は大切!でもデメリットはないの?
玄関引き戸の住宅や、窓のある玄関では通風ができますが、窓がなく、出入り口に玄関ドアを使っている住宅では、玄関の通風ができません。日本の気候は湿度の高い季節が長いので、換気の良さが家族の健康を守り、家の寿命を伸ばします。
そして玄関からの風は家中の換気を良くします。玄関からの通風にはメリットだけでデメリットはないのでしょうか?
玄関の通風と暮らしの関係
日本の住宅には長らく引き戸が使われてきました。日本の住宅は欧米の国々のように要塞のように守り固めるという考え方ではなく、自然を受け入れながら暮らすという考え方に基づいて造られてきたからなのでしょう。その為、お城の門などには扉が使われていましたが、一般庶民の家は引き戸でした。
参考サイト 引き戸とドアの歴史
参考サイト それは安心で豊かな暮らしの歴史鍵とドアの歴史 – YKK AP
引き戸の良さの一つは、開閉の幅を調節できることです。窓のない玄関であっても、引き戸をその日の天候や風の強さに合わせて調整すると、玄関からの通風ができるので家中の換気が良くなります。玄関からの通風をするということは、湿度の高い季節が長い環境の中で、木造住宅に住み続けてきた日本人の知恵でもあるのではないでしょうか?
風が通らず、換気が悪い家の中では空気が循環せずきれいな空気が維持できない、湿度が高くなりカビが生え、さらにはカビを餌にするダニが繁殖するなど、家族の健康に悪影響を与えるような環境が生まれます。さらに、木造住宅は換気が悪いと木材が腐朽し、耐久性と耐震性が低下してしまいます。
参考サイト DAIKIN 上手な換気の方法~住宅編~
現代の生活では24時間換気が義務付けられているので、玄関からの風は必要ないという考え方もあります。ただ、玄関や窓からの自然の風は、換気を良くするだけではなく、2階の居室の窓へと立体的な風の通り道を創り、家の中に心地よさを生み出します。
窓のない玄関に風を採り入れる方法
玄関からの風を採り入れたいけれど、引き戸ではないし、玄関の中に窓もないという場合には、玄関ドアにドアガードをかけて細目にあける、玄関周りの掃除や玄関前の植栽の手入れをするタイミングで数分開放する、網戸をつける、玄関ドアから通風するという方法があります。
やってはいけない通風の方法
窓がない玄関で風を採り入れる為に、ドアガードをして少しだけドアを開けておくという方法は、危険なのでやってはいけない通風の方法です。ドアガードをしておけば、それ以上ドアが開かないので安心と思われるかもしれませんが、それは間違っています。ドアガードは、来訪者を確認する際に、相手がいきなり侵入してくることをガードする為の物です。もし、玄関の内側に人がいない状態であれば、外側から簡単に外されてしまいます。
虫が入ってきてしまう通風の方法
ドアガードをかけて細めに開けておく方法や、玄関周りの掃除や玄関前の植栽の手入れをするタイミングで数分開放する方法は、虫が家の中に入ってきてしまう確率が高いです。また、通りや隣家との位置関係や間取りによっては、数分間であっても玄関ドアを全開放しておくことが難しいかもしれません。
網戸をつけて通風する方法
引き戸タイプや折戸タイプの玄関用網戸をつける方法なら、虫が入ってくる心配はありません。ただ、前方にドアを全開放している状態になるので、通りや隣家との位置関係によっては、プライバシーが確保し難くなってしまいます。また、網戸には防犯性の高い鍵がついていません。その為、常に家族の視界に入る位置に玄関がある間取りであればそれほどの危険性はありませんが、そうでない場合には、気付かないうちに不審者に侵入される恐れがあります。
窓のない玄関に風を通す為には、網戸を設ける、採風できる玄関ドアにするという方法があります。
最も良い方法は、玄関ドアから通風するという方法です。
玄関ドアからの通風が暮らしに与えるメリット
ドアガードを外されて家の中に侵入される、虫が入ってくるというようなことがなく、隣家や通りからの視線も気にせずに玄関に通風する方法の中で最も良い方法は、玄関ドアからの通風です。玄関ドアには、断熱機能のあるタイプや採光できるデザインなどがありますが、その中の一つが通風できるタイプです。通風できる玄関ドアにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
玄関ドアをロックしたまま安全に通風できる
通風できる玄関ドアには通風機構がついています。通風機構とはきわめて幅の狭い縦長の内開き窓、又は上下に上げ下げする窓です。断熱ドアには内開き通風機構、アルミドアには上げ下げ通風機構がついています。この窓から玄関をロックしたまま、風を採り入れられます。
ただし、ロックしてあったとしても、通風部分から腕を差し入れられると、サムターン回しという手口の被害にあってしまいます。サムターン回しとは、玄関の外側から腕や特殊な器具を差し入れて玄関内側のツマミ(サムターン)を回して、鍵を開けてしまうという侵入強盗の手口の一つです。その為、腕や特殊な器具を差し入れることが不可能な幅になっています。
住宅の防犯性を高める為には、玄関の防犯性を見直さなくてはならない理由は、強盗が侵入しやすい場所であることと、侵入強盗犯の手口が進化していることにあります。
また、開けている際に外部からの視線が家に中に通らないほどの幅の狭さでもあります。それほど幅の狭い細長い開口部では、たいした採風量がないのでは…?と思われるかもしれませんが、家の中に広い風の通り道を作れるだけの風を採り込めます。幅が狭いのに採風量が大きい理由の一つは網戸です。従来の網戸の約2割多く風を採り込めます。
玄関内のカビや嫌なニオイ、結露を発生させない
梅雨時には玄関内に濡れた靴や傘が持ち込まれるので、湿度が高くなり靴にカビが生えてしまったり、嫌なニオイがしたりすることがあります。また、間取りによっては浴室やキッチンからの水蒸気が玄関に流れ込み、玄関ドアに結露が発生することもあります。風の通る玄関であれば、カビや嫌なニオイ、結露を防ぐことができます。
通風できる玄関ドアのデメリット
通風できる玄関ドアには、土埃や花粉が侵入してくる、掃除がしにくい、生活音が流出しやすいというデメリットがあります。
土埃や花粉が侵入してくる
通風機構には子虫の侵入も防げるほど網目の細かい網戸がつけられているので、虫の侵入の心配はありません。ただ、風の強い日には網目を通して土埃が入ってきてしまいます。その為、風の強い日に通風機構を開けておくと、玄関内が汚れやすくなるというデメリットがあります。また、花粉の季節には花粉も網戸を通して入ってきてしまいます。
掃除がしにくい
土埃や花粉で網戸が汚れそう…と心配される方もいらっしゃると思いますが、網戸に使われているネットは、表面の凹凸も少なくホコリがすき間に入りにくい構造なので、手軽にお手入れできます。ただ、通風機構は居室の壁に設けられている窓とは違い、細長いので角に埃が溜まりやすく、細かな部分の掃除がし難いというデメリットがあります。
参考サイト YKKAP クリアネット
生活音が流出しやすい
玄関ドアに限ったことではありませんが、開口部が隣家の窓に面しているというような環境の場合、家の中からの生活音やペットの鳴き声が、隣家に迷惑をかけてしまうことがあります。玄関ドアと隣家との距離や位置関係、家から出る生活音の大きさによっては、隣家に迷惑な状況が生まれるかもしれません。ただし、普通の生活で発生する生活音の大きさや、通りに面している玄関ドアであれば問題はありません。
玄関の換気が悪いという状態は、通風タイプの玄関ドアにすることで解決します。玄関の風通しの良さは、玄関内だけではなく、家中の換気を良くします。
風の通る爽やかな玄関は、快適に玄関が使えることに加えて、家中の換気を良くするので家族の健康を守ります。蒸暑くなるこれからの季節に備えて、通風できる玄関へのリフォームを検討されませんか?
窓屋窓助は、窓・玄関・エクステリアリフォーム専門店です。
私達は、窓・玄関・エクステリアのリフォームを通じて、地域の皆様の夢や暮らしに貢献させていただきたいと願っています。窓や玄関での断熱を検討される際には、ぜひご相談ください。お住まいに合わせた最適なプランを提案させていただきます。