窓のサッシの交換と鍵やゴムパッキンの交換の違いは?
窓のリフォームにはサッシの交換の他に、内窓設置とガラス交換があります。また、鍵やゴムパッキンを交換したいという希望もあるのではないでしょうか?どの方法をとる場合にも、使用する製品によって得られる効果と、かかる費用が変わってきます。
リフォームの目的と予算に合わせて最適な方法を選べるよう、それぞれの違いを確認していきましょう。
窓のサッシの交換
サッシとは、窓ガラスとガラスの枠の部分を指します。窓のサッシの交換には、住宅についている窓枠の部分はそのまま残し、サッシを交換する方法と、住宅についている窓枠を壊しして住宅についている窓枠も新しくする方法です。
住宅についている窓枠の部分はそのまま残し、サッシを交換する方法は、カバー工法という方法です。元の窓枠に新しい枠を被せ、新しいサッシを取り付ける工事でサッシを交換します。その為、窓のサイズを小さくしたい場合にはパネルをはめ込むという方法で工事ができますが、窓のサイズを大きくすることはできません。
住宅についている窓枠を壊して、窓枠も新しくする方法は、窓枠を取り外すために、壁を壊さなくてはなりません。大掛かりな工事になる為、期間が長くなり、費用も嵩みますが、耐震性に響かない範囲で窓を大きくすることができます。
この工事の違いによって、工事費は大きく変わります。どちらの工事であってもガラスやサッシなどの違いによる製品価格の違いがあります。それ以外にかかる費用は工事費や撤去費用です。
この2点が壁を壊す工事の場合、既存サッシの撤去だけではなく壁の撤去などが含まれる、クロスの張替えが必要になるなど、カバー工法に比べると費用が高額になっていきます。耐震性への影響もある為、窓だけのリフォームの場合、一般的にはカバー工法でのリフォームが行われます。
カバー工法でのサッシ交換にかかる費用
ガラスとサッシの種類の違いによって得られる効果と費用が変わります。窓のリフォームで得られる効果には、断熱、遮熱、防音がありますが、サッシ交換では断熱と遮熱の効果が得られます。
断熱効果
住宅内の室温は、外気温と家の中への熱の出入りによって決まります。夏は太陽の熱の侵入が室温を上昇させ、冬は暖房の熱が流出していくため、冷暖房の効率が低下します。熱は外皮と呼ばれる部分全てから出入りします。外皮とは、屋根、外壁、開口部、床など、外気温に直接触れる面を指す言葉です。
その外皮の中で、最も多くの熱が出入りする場所が窓や玄関などの開口部です。その為、窓のリフォームの多くは、住宅の断熱性能を高めたいという目的で計画されます。窓のリフォームによる断熱効果は、ガラスとサッシの種類によって変わります。
参考サイト 第1回「知られざる事実!? 家の中で熱の出入りが1番多い所は、アソコだった!」
ガラスの種類
サッシ交換に使われるガラスには断熱性の高さが異なる3種類のガラスがあります。断熱性が高くなるほど、製品価格も上がっていきます。
複層ガラス
2枚のガラスの間に空気層のあるガラスです。
Low-E複層ガラス
2枚のガラスのうちの1枚にLow-E金属膜がコーティングされているガラスです。遮熱タイプと断熱タイプがあり、遮熱タイプは夏の室温上昇を防ぎ、断熱タイプは複層ガラスより高い断熱効果があります。
トリプルガラス
3枚のガラスの間にアルゴンガスが注入されたガラスで、ガラスの中で最も高い断熱効果が得られます。遮熱タイプと高断熱タイプがあります。
参考サイト YKKAP ガラス選びがカギ!快適な窓辺のつくりかた
サッシの種類
サッシには、従来の住宅に使われてきた断熱性のないサッシと、現在ではほとんどの住宅に採用されている断熱性を備えたサッシがあります。断熱性が高くなるほど、サッシの製品価格も上がっていきます。
アルミサッシ
軽くて丈夫なので、昔から日本の住宅の窓のサッシの定番として使われてきたサッシです。ただ、断熱性が全くない為、近年は使われなくなってきています。
アルミ樹脂複合サッシ
室外側にアルミ、室内側に樹脂が使われているサッシです。非常に優秀な樹脂サッシと比較すると、製品価格が抑えられているので、多くの新築住宅やリフォームに採用されているサッシです。
樹脂サッシ
樹脂で作られたサッシです。断熱性だけではなく素材の柔軟性から、気密性の高さも備えています。室温に影響を与える要素には、ガラス面からの出入りの他に、隙間からの熱の出入りと、冷気の侵入、冷房の涼しさの流出があります。樹脂サッシの場合、隙間からの熱の出入りや冷気の侵入も抑えられるので、より外気温が室内に与える影響を低減させることができます。
木製サッシ
無垢材で作られたサッシで樹脂サッシと同じくらい優れた断熱性を持つサッシです。北欧の国々では一般的に使われていますが、日本ではそれほど普及していません。その理由の一つは、湿度の違いです。北欧の国々は湿度が高くなる時期が少なく、日本では長く続くからです。日本で木製サッシを使う場合には、湿度による腐蝕を防ぐ為にマメにメンテナンスをする必要があることが、普及しないことの一因なのではないでしょうか?
断熱効果が高いサッシ
サッシの断熱性の高さの順位です。
- 樹脂+トリプルガラス
- 樹脂+Low-E複層ガラス
- アルミ樹脂複合+Low-E複層ガラス
- アルミ樹脂複合+複層ガラス
窓のリフォームの中でトリプルガラスに交換できる方法はサッシ交換だけです。
サッシの種類、窓の種類によって変わります。サッシや窓の種類と働きの違いとはどのようなことなのでしょうか?
コラム サッシで変わる窓の種類と特徴
内窓設置
現在使っている窓はそのまま残し、室内側に新しい窓を設け二重窓にする方法です。この方法では、断熱効果に加えて、窓と窓の間の空気層が音の出入りを低減させるため、防音効果も得られます。
内窓には樹脂サッシが使われるため、隙間がなく高い気密性があります。その為、隙間からの熱の出入りはもちろんのこと、音の出入り遮られることも断熱と防音の効果を高めています。内窓へのリフォームの場合、トリプルガラスは選べませんが、樹脂+Low-E複層ガラスで十分な断熱効果が得られ、さらに遮熱タイプを選ぶと、夏の室温上昇も抑えられます。
内窓は製品の違いや設け方、騒音の程度によって防音効果が変わります。確実に防音効果を得るにはどうしたら良いのでしょうか?
ガラス交換
今あるガラスの枠に新しいガラスを組み込む方法です。ただ、現在のガラスの枠がアルミだった場合には、ガラスを通して出入りする熱は抑えられますが、アルミの枠部分やサッシの隙間からの熱の出入りは抑えられません。その為、サッシ交換や内窓設のように、結露は軽減できない場合がありますが、断熱効果は得られます。
窓の鍵やゴムパッキンの交換
サッシを交換せずに、鍵やゴムパッキンだけを交換することはできるのでしょうか?
鍵の交換
引き違い窓にはクレセント錠という鍵がつけられています。クレセント錠は、引き違い窓の密着度を高めて熱や音の出入りを抑えるという目的で付けられていた為、防犯性という観点からみるとそれほどの効果はありません。ガラスを割れば簡単に開錠できてしまいます。
その為、不具合がなくても防犯性を向上させることを目的に鍵交換を計画されることもあると思います
鍵専門の業者に依頼すると鍵の交換はできると思いますが、防犯性を高めたいのであれば、サッシ交換をして最新の鍵に替える方法が確実に防犯性を高められます。新しい窓には、ガラス破りや、施錠忘れへの対策が施されたクレセント錠がついているからです。
さらに防犯性を高めたい場合には、防犯合わせガラスをオプションで選ぶこともできます。
- 参考サイト 安全合わせ複層ガラス
- 参考サイト 板硝子協会 規格基準 防犯ガラス
- 参考サイト 警察庁住まいる防犯110番 手口で見る侵入犯罪の脅威
ゴムパッキンの交換
窓を10年以上使い続けると、紫外線の影響で、ゴムパッキンは劣化します。ゴムパッキンが硬くなってきて隙間風が入ってくる、掃除をしても汚れがとれなくなってきた…という状態になってくると、ゴムパッキンの交換を計画されるのではないでしょうか?
ただ、隙間風が増えるのはゴムパッキンだけが原因ではありません。サッシと窓枠の間の隙間はゴムパッキンでは防げないからです。その為、ゴムパッキンだけを交換しても隙間風を完全に封じることはできません。
一方、サッシ交換ではサッシ交換時に鍵も同時に交換されますが、ゴムパッキンは交換されません。アルミサッシの場合、気密性を持たせるため、ガラスの周りにゴムパッキンが使われていましたが、樹脂サッシは樹脂自体に柔軟性がある為、ゴムパッキンは使われていないからです。
あらかじめ工場で樹脂サッシとガラスは溶接された状態で出荷されるので、高い気密性があります。その為、ゴムパッキンが劣化してきたと感じたら、ゴムパッキンの交換より、サッシの交換の方がより良い効果を得られます。
サッシの交換や内窓設置には暮らしを快適にする効果があります。鍵の防犯性やゴムパッキンの劣化が気になってきたら、窓のリフォームを検討されませんか?
窓の断熱化は夏の室温上昇や、紫外線カットにも役立ちます。2022年度の2つの補助金を活用して、1年のうちのどの季節も快適に過ごせる家にしませんか?
窓屋窓助は、窓・玄関・エクステリアリフォーム専門店です。
私達は、窓・玄関・エクステリアのリフォームを通じて、地域の皆様の夢や暮らしに貢献させていただきたいと願っています。窓や玄関での断熱を検討される際には、ぜひご相談ください。お住まいに合わせた最適なプランを提案させていただきます。