サッシで変わる窓の種類と特徴
窓は陽射しと風、外の景観を家の中に採り入れる、雨や風、外部の砂ぼこり、騒音を侵入させないという役目を果たしています。さらに窓の機能によっては、熱の出入りを防ぎ、住宅の断熱性を高める働きもします。
そしてそれぞれの働きの効果は、サッシの種類、窓の種類によって変わります。サッシや窓の種類と働きの違いとはどのようなことなのでしょうか？
サッシで変わる窓の断熱性
サッシとはガラスの枠を指す言葉です。窓の性能はガラスによってもサッシによっても変わります。特に窓の性能の中の一つである断熱性に関しては、窓のサッシに使われる素材の違いが断熱性に大きな影響を与えます。窓のサッシには、アルミ、樹脂、木材といった素材が使われています。
アルミサッシ
日本の住宅で長らく使われてきた一般的なサッシです。軽くて扱いやすく、丈夫で長持ち、しかも安価であるという好条件が揃っていた為です。ところが、アルミという素材には、断熱性が全くありません。
近年の家庭からのエネルギー消費を減らそうという流れに逆行する存在になってしまいました。なぜなら、住宅の室温への影響は、窓からの熱の出入りが最も大きいからです。その為現在は、新築住宅にはほとんど採用されなくなってきています。
樹脂サッシ
断熱性の高いサッシです。樹脂自体が熱を通さない性質であることに加えて、サッシとレール、サッシと窓枠などの隙間からの熱の出入りも抑えられます。アルミサッシは硬く柔軟性がないのですが、樹脂には柔らかさがあり密着度が高いので、気密性が高いからです。
加えて、アルミサッシとガラスは組みたてられているので、そこにも隙間が生じてしまいますが、樹脂サッシとガラスと溶接されている為、ガラスとサッシの間の隙間もありません。
アルミ樹脂複合サッシ
優れた断熱性を持つ樹脂サッシには、高額であるという問題点があります。住宅を新築する場合にもリフォームをする場合にも、それぞれのご家庭には予算の上限があります。性能のすばらしさはわかるが、予算的にはアルミにするしかない…というケースも少なくありませんでした。
そこで開発されたサッシがアルミ樹脂複合サッシです。アルミ樹脂複合サッシは、室内側には樹脂、室外側にはアルミを使って作られています。樹脂サッシほどの断熱性はありませんが、アルミサッシとは比較にならない断熱性を備えている上に、価格もお手頃です。
木製サッシ
木には熱を通さない性質があるので、木製サッシも高い断熱性を備えています。北欧の国ではポピュラーですが、日本ではそれほど普及していません。大手メーカーが製作販売していないことと、高額であることが理由として挙げられます。
木製サッシの窓には断熱性が高いだけではなく、おしゃれな雰囲気があるので、新築やリフォームの際には取り付けしたいという方も多くいらっしゃいます。ただ、樹脂サッシと同じように高額なので、あきらめるケースが多いようです。加えて、木製サッシには再塗装などのメンテナンスが必要です。
樹脂サッシ、アルミ樹脂複合サッシには木目調カラーのサッシもあり、メンテナンスも不要なので、予算内で木製サッシのような雰囲気を持つサッシにしたいという希望を持つ方には、アルミ樹脂複合サッシが人気です。
- 参考サイト YKKAP 窓の教科書 暮らしを快適にする“断熱窓”
- 参考サイト 住宅ライターがレポート！『樹脂窓のチカラ』
サッシで変わる窓と気候の関係と使い勝手
サッシによって窓の開閉方法が変わります。窓の開閉方法によって窓からの採風量や雨の降りこみの状態が変わります。
窓からの風
一般的に使われている引き違い窓は、開閉の幅を自由に調整できるので、強風の時は閉める、気候の良き時期で微風の時は全開する、気温が低い日に、少しだけ換気をしたい時には少し開けるといった使い勝手の良さがあります。
その一方、地域の風の性質や周辺の環境によっては、窓に沿って風が流れて行ってしまい、室内に採りこめない状況になることがあります。このような状況には、ウィンドキャッチ窓とも呼ばれる縦すべり出し窓が役立ちます。外に向かって窓が開くので、カラス面に風が当たり、室内に風が入ってきます。
現在引き違い窓で、風のある日なのに風が入ってこないという状況の場合、縦すべり出し窓にリフォームすることで、風通しを良くすることができます。FIX窓が中央に、縦すべり出し窓が両側にあるウィンドキャッチ連窓なら、対面に窓がなくても風を採りこめます。
窓からの雨の降りこみ
引き違い窓は、小雨の際には少しだけ開けて換気をすることができますが、すべり出し窓も小雨の際に換気ができます。すべり出し窓は窓枠の上側を軸にしてガラスが室外側に開く窓です。外に開いたガラスがひさしの役割をして雨の降りこみを遮ります。
参考サイト YKKAP 窓の教科書窓の開き方イロイロ
窓のサッシが室内の雰囲気や外観デザインに与える影響
サッシにはアルミカラーと木目調カラーがあり、室内の雰囲気や外観デザインに影響を与えます。サッシの色はサッシの素材によって異なります。
サッシの色と質感が室内の雰囲気に与える影響
トリプルガラス＋樹脂サッシのカラーバリエーション
樹脂サッシのカラーバリエーション
アルミ樹脂複合サッシのカラーバリエーション
壁や床、天井の色や質感に合わせてサッシの色を選ぶことで室内の雰囲気が向上します。ナチュラルテイストで淡い色調の内装、例えば、明るい色合いのフローリングとホワイト系の壁というような場合には、明るい木目調カラーや、ホワイトのアルミカラーがなじみやすいです。
深い色合いのフローリングで、フローリングと同じような色調の梁を見せているホワイト系の壁の仕上げの場合には、深い色合いの木目調カラーのサッシを組みあえわせると、落ち着いた雰囲気、ブラックのアルミカラーにすると個性的な雰囲気が生まれます。
無垢材のフローリングの場合には、無垢材の色と同じような木目調カラーにしたいという希望もあると思いますが、この場合には注意が必要です。木目調カラーは紫外線を浴びても多少の経年褪色があるだけで、色合いの変化は生まれません。
一方、無垢材は紫外線を浴びることによって色合いが変化していきます。明るい色合いの無垢材は深い色合いに、濃い色合いの無垢材は明るい色合いへと変化していくのです。従って、新築、又はリフォームの時点で、無垢材の色合いに合わせてサッシの色を選んだとしても、経年でサッシの色とフローリングの色に違いが出てきます。
窓のサッシが外観デザインに与える影響
新築の場合、窓の開閉方法、サイズ、位置、そしてサッシの色はすべて自由に決められます。一方、リフォームの場合、窓を小さくしたり無くしたりする、開閉方法を変えるなどはできますが、位置や形は変えられません。
ただし、サッシの色は自由に選べます。新築と違いリフォームの場合、植栽や置物などで玄関周りの雰囲気はすでに作られているはずです。同時に外壁や玄関ドアの色は多少褪色しているかもしれません。
それらを考えあわせた上で、サッシの色を選びましょう。基本的に自然に馴染ませたければ、壁の色と同系色、アクセントにしたい場合には、屋根や玄関ドアの色に合わせる、という考え方に基づいて色選びをすると外観に馴染みます。
断熱性を高める為にはサッシとガラスの組み合わせが重要
今回はサッシと断熱性の関係について書いてきましたが、窓の断熱性を上げる為にはガラス選びも重要です。サッシとガラスの組み合わせ方で、窓の断熱性は変わります。
YKKAPの窓では、樹脂サッシ＋トリプルガラス←樹脂サッシ＋Low-E複層ガラス←樹脂サッシ＋複層ガラス←アルミ樹脂複合サッシ＋Low-E複層ガラス←アルミ樹脂複合サッシ＋複層ガラスという順に断熱性能が変わります。予算と考えあわせた上で、組み合わせ方を選んでいきましょう。
樹脂サッシと複層ガラスやトリプルガラスとの組み合わせである樹脂窓は、住宅に出入りを熱の量を抑える働きをします。そしてその効果は、ガラスの種類によって変わり、ガラスの種類によって価格が変わります。
加えて断熱性を高める窓の数も、家全体の断熱性の高さに影響を与えます。例えば、家の中に10個の窓がある場合、1個だけ最も断熱性の高い樹脂サッシ＋トリプルガラスにして、その他の窓はアルミサッシ＋1枚ガラスのままにしておくというリフォームは、熱性の高い樹脂サッシ＋トリプルガラスの断熱性の効果が活かされません。
それならば、10個の窓をアルミ樹脂複合サッシ＋複層ガラスにリフォームする方が、比較にならないくらい高い断熱効果が得られます。断熱を目的にリフォームする場合、サッシとガラスの選び方、リフォームする窓の優先順位や数などによって、効果が変わります。
窓屋窓助は、リフォームの目的とご予算に合わせて、最適なサッシとガラス選びのお手伝いをさせていただきます。窓のリフォームの際にはお気軽にご相談ください。
窓のリフォームの際には補助金を活用しましょう。夏涼しく冬暖かい家にしたい…断熱窓は、室温に関わる暮らしの悩みを解決します。冬は熱の流出と冷気の侵入を抑えて暖かく、夏は熱の流入と冷やされた空気の流出を抑えて涼しい環境を生み出します。最小限のエネルギーで季節に応じた最適な室温を調えられるのでエネルギーが節約できるうえに、結露の軽減にも役立ちます。
窓屋窓助は、窓・玄関・エクステリアリフォーム専門店です。
私達は、窓・玄関・エクステリアのリフォームを通じて、地域の皆様の夢や暮らしに貢献させていただきたいと願っています。窓や玄関での断熱を検討される際には、ぜひご相談ください。お住まいに合わせた最適なプランを提案させていただきます。
