断熱性能とは?窓や玄関での考え方はどうなる?
住宅の断熱が重要視されるようになり、断熱性能の指標となる数値が明確化されています。しかし、そもそも「断熱性能とは何か」また数値化されているUA値など意味不明ともいえる単位が並べられ、ますます難しく感じてしまいますね。
今回は、できるだけ簡潔に住宅の断熱性能についてお伝えし、住宅の開口部である窓や玄関の断熱性能に注目します。
断熱性能とは
断熱性能とは、住宅の省エネ性能に関わる要素の一つと考えられています。
エアコン機器などの省エネ性能を高めるには、室内から熱が逃げないこと、外から熱が伝わらないことがポイントになります。
熱が伝わる力で考える場合、住宅では3つに分けて考えます。
断熱性能に関する住宅の3つの部分
■素材
■屋根・壁・床といった建物の部分
■建物全体
単位や細かい数値まで調べて考えるのが、大変だと感じるなら、単位に関わらず、数値が小さければ断熱性能が優れていると考えるといいでしょう。
詳しい数値を見てみたい方は、国交相 木造戸建て住宅の仕様基準ガイドブック2021 4〜7地域版をご覧ください。
素材
断熱材をはじめとした、素材で考えます。素材で考える場合、その素材の熱伝導率を指標にします。
窓やガラス・サッシ、玄関の断熱性能は、素材で判断します。
屋根・壁・床といった建物の部分
屋根や壁は建物(住宅)を支える大切な部分ですね。家を建てる際は、断熱材を挟み込んでつくられます。
断熱材という素材にも関係しますが、屋根という部分からどれだけ熱が伝わってくる、熱貫流率で考えられます。
建物全体
外壁や屋根・床・開口部など建物の外皮とみなされる部分で、どれだけ熱が逃げていくのか。外皮平均熱貫流率(UA値)で示されます。
断熱性能はすべてを包めて考える
住宅における断熱性能は、上記でお伝えした素材・部分・建物全体の熱の流れを考えて算出されます。
外から入る熱もあれば、外へ逃げる熱の両方を考え、指標としているのが「断熱性能」なのです。
断熱性能等級と地域区分
断熱性能を示す指標として、「断熱性能等級」というものがあります。3月末日時点では等級1〜4までですが、等級5が新設、今年2022年4月1日に施行されます。そのため、5段階と認識しましょう。
また断熱性能は省エネ性能に関わる要素の一つですが、現在住宅がどんな基準を満たすべきなのか、省エネの地域区分が存在します。
省エネ区分では、建物全体の外皮平均熱貫流率(UA値)の数値で分けられています。
地域区分においては、都道府県で調べることができますが、同じ県内でも市町村によって、地域区分が異なっていることもありますので、注意しましょう。
なお、新潟県は地域4に該当します。また地域区分は年々更新されていますし、市町村により区分が異なっているため、ご自身の地域区分を明確にさせたい場合は、最新情報の地域区分を参照してください。
■断熱性能等級とUA値指標(新潟県 地域区分4の例)
・等級1:UA値 基準値なし
・等級2:UA値 1.47以下
・等級3:UA値 1.25以下
・等級4:UA値 0.75以下
・等級5:UA値 0.6以下
窓・玄関の断熱性能を考えるなら
窓・玄関の断熱性能は、素材で判断されます。そのため、建物全体の外皮平均熱貫流率(UA値)はあまり関係ありません。
窓・玄関で考えるなら、各メーカーのカタログなどの「断熱性能」の部分に注目することが、一番わかりやすいと思います。
地域区分はどうなるの?
断熱性能という言葉を調べていると、UA値であったり、地域区分であったり、様々なことが連動していますので、より分からなくなってしまいます。
現段階で、家をフルリフォームや新築で建てることを考えているなら、やはり断熱性能・地域区分を理解することが求められます。
しかし、窓や玄関といった部分リフォームを検討している場合、正直なところ、地域区分まで念頭におく必要はないかと思います。
見るべきものは、素材、窓・玄関ドアといった本体の性能がどのくらい備わっているのか、ということでしょう。
窓と玄関の断熱性能
窓・玄関の断熱性能は、いかに熱を伝わらせないか、熱の伝導率がどれだけ小さいのかがポイントです。
窓の断熱
断熱のための窓リフォームなら、ガラスだけを交換するガラス交換、樹脂窓や断熱ガラスにアルミ複合サッシを取り付けた窓に交換する、窓交換リフォームがあります。
また、既存の窓はそのままにして、室内に新しい窓を取り付ける内窓設置という窓リフォームもありますよ。
まず窓の断熱性能を高めるなら、断熱ガラスと樹脂サッシの組み合わせた窓にすることがふさわしい対応です。
断熱ガラスは、複層ガラス、Low-E複層ガラス、トリプルガラス、真空ガラスがあります。
なお、樹脂窓と呼ばれる、樹脂製のサッシが用いられた窓がありますので、合わせて検討してみてください。
どの窓リフォームが費用を抑えてできるのか、ざっくりとした相場だけでも知りたいかと思います。
しかし、ガラスの交換を例にすると、新しく交換するガラスの種類によって、費用が変わってくるため、お伝えできません。
玄関の断熱
玄関の断熱について考えるなら、玄関ドアの開き方と本体の断熱性能の有無で考えるといいでしょう。
玄関ドアの開き方は、前後に開閉するドアと横にスライドさせて開閉する引き戸があります。断熱性という観点から考えると、前後に開閉するドアの方が断熱性能が高くなります。
次に、ドア本体の断熱性能の有無で考えましょう。例えば玄関ドアで圧倒的なシェアを占めているメーカーYKKAPのドアで考えてみましょう。
YKKAPの断熱性能がある玄関ドアでは、D2とD4という2種類があります。
D2は、北海道をはじめ、主に寒冷地向けの仕様であり、D4は都市部など向けの仕様となっています。
D2にせよ、D4にせよ、適した地域が明記されていますが、玄関を暖かくしたいことを重視するなら、D4を選択してもいいでしょう。
まとめ
断熱性能は、住宅の省エネの性能に関わる基準ですが、考え方の基本は熱の出入りする量をいかに小さいかを示す指標です。窓や玄関のリフォームでの断熱性能を考えるなら、まず、窓ガラスや玄関ドア本体に断熱性能が備わっているかどうかで判断するといいでしょう。
その上で、上位クラスの断熱性能が備わったタイプを選んでいけばいいと思います。
現在、ネット上で様々な情報が公開されていますが、個人で調べるには限界がありますし、エキスパートに相談すれば、必要な情報をすぐにピックアップして提供してもらえますので、窓・玄関リフォーム専門店に相談してみましょう。
信越エリアであれば、窓屋窓助にお任せください。
窓屋窓助は、窓・玄関・エクステリアリフォーム専門店です。
私達は、窓・玄関・エクステリアのリフォームを通じて、地域の皆様の夢や暮らしに貢献させていただきたいと願っています。窓や玄関での断熱を検討される際には、ぜひご相談ください。お住まいに合わせた最適なプランを提案させていただきます。