玄関をバリアフリーの幅にするリフォームの方法と費用
玄関の段差や通行の幅によって、玄関の使いやすさが変わります。玄関にある程度の広さがないとバリアフリーにはできないのではないか?と思われるかもしれませんが、親子ドアや2枚建ての引き戸の間口があれば、通行の幅をバリアフリー化できます。玄関ドアや引き戸の交換リフォームは、通行の幅と段差の両方を解決できます。
玄関の通行の幅を拡げる方法と費用
壁を壊さず通行の幅を拡げる方法には玄関ドア、または引き戸を交換する方法があります。壁を壊して通行の幅を拡げる工事は、耐震性に影響がある為実現不可能であったり、できるとしても数百万円の費用が発生したりします。
カバー工法という壁を壊さない工事で玄関ドアや玄関引き戸を交換する方法であれば、ほとんどの場合、20万円~40万円という費用で通行の幅を拡げられます。
玄関ドア通行の幅を拡げるタイプ別の方法
玄関ドアには通行の幅が異なるドアがあります。片開きドアの間口の幅と通行の幅はほぼ同じです。親子ドアと片袖ドアの間口は同じですが、子扉、袖と親扉のバランスによって通行の幅が変わります。両開きドアと両袖ドア、袖付き親子ドアも、間口は同じですが、子扉、袖と親扉のバランスによって通行の幅が変わります。
片開きドア→片引き戸
通行の幅を拡げることはできませんが、片引き戸に変更して車椅子やベビーカーでの通行をしやすくする方法があります。
片開きドアの幅は主に~872mm、有効間口寸法は~756mmです。一方、車椅子に必要な通行の幅は、JIS(日本工業規格)では手動タイプは630ミリ以下、電動タイプ700ミリ以下となっています。従って800mm以上の幅があれば、車椅子でギリギリ通行できるように思いますが、ドアを開けた際に前方にスペースが必要です。
さらに介助する家族がドアを開放して押さえていなければ、車椅子で通行できません。しかし、引き戸であれば、前方のスペースは必要ないことに加えて、押さえていなくても開放した状態が維持できます。玄関の横の壁に、戸を引き込むだけの幅があれば、玄関ドアを片引き戸に交換し、幅がギリギリであっても車椅子が通行できる幅を確保することができます。
参考資料 バリアフリーガイドブック
片袖ドア・親子ドア→ドアの幅を調整して通行の幅を拡げる
子扉や袖の幅の幅を調整して、親扉の幅を広くする方法です。親子ドアは、普段は親扉だけを開放して出入りする使い方なので袖付きドアと使い勝手は同じです。ただ、大型の家具や家電を搬入する際には、子扉も開放して通行の幅を拡げられます。その為、玄関ドアを交換する際には、親子ドアを選択する方が使い勝手の良さが拡がります。
片袖ドア・親子ドア・両開きドア→引き戸や引き込み戸にして前方のデッドスペースを減らして通行しやすくする
両開きドアはすべての玄関ドア、玄関引き戸の中で最も通行の幅が広い玄関ドアです。親子ドアや両開きドアも、親扉の幅を広くすれば、車椅子での通行はできます。ただ、車椅子で通行しようとすると前方のスペースが足りないという場合は、引き戸や、袖付2枚連動引き込み戸に交換するという選択肢もあります。両開きドアより通行の幅はおよそ3分の2に減ってしまいますが、前方の幅が必要ないことと、ドアを押さえていなくても通行できる良さがあります。
両袖ドア→袖付き親子ドアにして通行の幅を拡げる
袖付き親子ドアは、ドアの両側についている袖を一つにし、親子ドアと組み合わせる新しいタイプのドアです。このドアの使い勝手は親子ドアと同じです。ドアの幅を調整して通行の幅を拡げることに加え、必要な時には子扉も開放するという使い方ができます。
■ 玄関ドアの交換を計画する際には、様々な疑問が生まれると思いますが、その中の一つが玄関ドアのサイズです。
引き戸で通行の幅を拡げる方法
引き戸は間口が広いので、そのままでもバリアフリーの基準を満たす幅を備えています。ただ車椅子や介助者と2人での出入りの際に、楽に通行できるわけではありません。もちろん、戸を取り外せば玄関ドア以上の通行の幅を得られます。ただ、車椅子で通行する度に引き戸を取り外すというようなことは現実的ではありません。
2枚建て引き戸→袖付2枚連動引き込み戸
2枚連動引き込み戸は新しい玄関引き戸のスタイルです。袖と2枚の引き戸で構成されています。このうち2枚が袖の中に引き込めます。2枚建て引き戸の場合、引き戸1枚分の幅が通行の幅ですが、袖付2枚連動引き込み戸は、3分の2まで通行の幅を拡げられ、車椅子での通行が楽にできるようになります。
加えて、玄関ドアや引き戸を交換する際には、下枠納まり用オプションでつまづきやすい玄関ドアや引き戸の段差を解消できます。
■ 引き戸は玄関ドアに比べると幅が広いので、製品価格が玄関ドアより高めです。また、断熱性や防犯性は低さが気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか?引き戸のリフォームを成功させるためのポイントを確認していきましょう。
玄関ドア交換で活用できる補助金
現在、玄関ドアを対象にするバリアフリーリフォームの補助金はありませんが、玄関ドアを断熱ドアに交換する場合には、こどもみらい住宅支援事業の補助金の対象になる可能性があります。
こどもみらい住宅支援事業は、子育て世代を支援し省エネ住宅を増やすことを目的に行われている補助金制度です。その対象の中には住宅の断熱化に役立つ断熱ドアや断熱窓が含まれています。
玄関ドアを交換して通行の幅を拡げることを目的にするリフォームであっても、断熱改修の対象となる玄関ドアの基準を満たした断熱玄関ドアであり、こどもみらい住宅支援事業に登録している施工業者に依頼すれば、補助金を受けられます。
断熱改修の対象となる玄関ドアの基準
枠の仕様 気密材が使われているなどの断熱構造になっている枠、それ以外の枠
戸の仕様 金属製高断熱フラッシュ構造、金属製断熱フラッシュ構造、金属製フラッシュ構造、金属製、ハニカムフラッシュ構造
ポストの有無
ガラスの有無と種類 Low-E複層ガラス、複層ガラス
満たすべき基準は、地域区分に準じた断熱性能を備えていることです。新潟県には、気候によって8つに分けられている地域のうち、4地域と5地域の市町村があります。地域区分4に求められる熱貫流率の基準値(単位1平方メートル1度につきワット)は、3.49、地域区分5〜7は4.65です。
4地域には、小千谷市、十日町市、村上市、魚沼市、南魚沼市、阿賀町、湯沢町、津南町、関川村、5地域新潟市、長岡市、三条市、柏崎市、新発田市、加茂市、見附市、燕市、糸魚川市、妙高市、五泉市、上越市、阿賀野市、佐渡市、 胎内市、聖籠町、弥彦村、田上町、出雲崎町、刈羽村、粟島浦村があります。
4地域ではほとんどの組み合わせで基準値を満たせますが、5地域では、断熱構造以外の枠と金属製ハニカムフラッシュ構造の戸、8ミリ未満の複層ガラス又は単板ガラスのドアは基準を満たしません。
参考資料 地域区分新旧表 – 国土交通省
参考サイト こどもみらい住宅支援事業 開口部の断熱改修
■ リフォームへのこどもみらい住宅支援事業の補助金の要件はこちらからご覧ください。
断熱玄関ドアで環境のバリアフリーも考えたい
バリアフリーのリフォームを考える時、通行のしやすさは大切な課題の一つです。毎日のことなので、安全にストレスなく出入りできる玄関は、思わぬ怪我を防ぐことにも繋がります。もう一つ考えたいことは、環境のバリアフリーです。家の中の温度差が大きい状態では、環境的にバリアフリーとは言い難い状態です。夏は屋内熱中症、冬はヒートショックなどの健康被害が発生する恐れがあるからです。
断熱ドアは家の中の温度差を抑えます。また、断熱ドアの中にある通風機能を備えたドアにすると、風通しが良くなり換気の良い家にできます。
参考サイト 冬場に多発! 温度差で起こるヒートショック
参考サイト 大塚製薬 室内で起こる熱中症 対策と対処法
窓屋窓助は、窓・玄関・エクステリアリフォーム専門店です。
私達は、窓・玄関・エクステリアのリフォームを通じて、地域の皆様の夢や暮らしに貢献させていただきたいと願っています。玄関のバリアフリー化、窓や玄関での断熱を検討される際には、ぜひご相談ください。お住まいに合わせた最適なプランを提案させていただきます。