断熱ドアを玄関につけるとどんな効果があるの?
玄関ドアのリフォームで多く行われる方法は、断熱ドアへの交換です。断熱ドアの断熱効果の高さは、D2、K2などで表される断熱仕様によって変わりますが、どの程度の効果が得られるのでしょうか?また、断熱効果の高さによって断熱ドアの価格はどの程度変わるのでしょうか?YKKAPの断熱玄関ドアの断熱効果や価格について確認していきましょう。
YKKAPのリフォーム用玄関ドアの断熱仕様はD2とD4
玄関ドアのメーカーでは、地域の気候に合わせられるよう、断熱性の高さの違う仕様を用意しています。YKKAPのリフォーム用玄関ドアには、標準の断熱効果を持つD4仕様と、高断熱のD2仕様があります。この断熱仕様は、新築用玄関ドアのヴェナート D30と同じ仕様です。
D4仕様
ドア本体に断熱材は充填されている他、ガラス部分には複層ガラスが使われています。比較的温暖な地域で採用されます。
D2仕様
ドア本体に断熱材は充填されている他、ガラス部分にはLow-E複層ガラス、枠部分には枠断熱ラインと気密材が使われ、辺縁部遮熱構造になっています。寒さの厳しい地域や、温暖な地域であっても、玄関周辺の環境や玄関ドアの向いている方角によって冷え込む玄関に採用されます。どちらの仕様のドアも非断熱ドアの厚みが36mmであるのに対して42mmの厚みです。
それではK2とは?と思われた方もいらっしゃると思います。K2は、リクシルのリフォーム用玄関ドアの断熱仕様の名称です。リクシルでは断熱仕様の違いをK2とK4で表しています。K2は、YKKAPのD2と同じように、寒さの厳しい地域や環境にある玄関に採用される高断熱仕様、K4は比較的温暖な地域で採用される標準的な断熱仕様です。
■ YKKAPの玄関ドアには、玄関内に風を採り込み家中の換気を良くする通風機構付きのドアもあります。
玄関ドアを断熱ドアにすると得られる効果
玄関には暖房の熱が届かない間取りの住宅は少なくありません。また、窓がなく陽射しによる暖かさも得られないという環境の玄関もあります。玄関だから寒くても仕方がないと考えている人も多いでしょう。ただ、玄関に断熱ドアを採用すると玄関内の寒さだけではなく、家中の室温に対して良い効果が表れます。
家の中の温度差を抑えられる
近年は家庭での省エネへの意識が高まり、窓を断熱化している住宅が増えてきています。家の中からの熱の多くは窓や玄関ドア、勝手口から出入りしています。その為、どんなに冷暖房をしても、窓や玄関ドアが断熱化されていないと、暖かさも涼しさも逃げて行き、暑さや冷たさが侵入してきます。
もし、全ての開口部が断熱化されていれば、家の中は魔法瓶のような状態になり、エアコンの暖かさが届かない場所と暖房をしている場所の温度差が小さくなります。ただ、せっかく窓を断熱化しても、玄関ドアが断熱ドアになっていないと、玄関ドアから熱が出入りしてしまうので、窓の断熱効果が十分に活かされなくなってしまいます。複層ガラスに替えたのに思ったほど家の中の温度差がなくならなかったという場合、玄関ドアや勝手口ドアから熱が出入りしている可能性が高いです。
YKKAPが行った実験の結果を見ると、温度差の違いがよくわかります。全ての窓がアルミサッシと単板ガラスで、玄関ドアがアルミ、暖房をしている部屋の温度が20度の場合、玄関や廊下の温度は8,7℃、温度差は11,3℃もあります。
一方、内窓のプラマードU のついた二重窓とD2仕様の断熱ドア、暖房をしている部屋の温度が20度の場合、玄関や廊下の温度は11,8℃、温度差は8,2です。
参考資料 厚生労働省 健康な日常生活を送るために
省エネができる
熱の出入りが少なくなると、冷暖房能効率が良くなり、電気代が節約できます。
参考サイト 経済産業省・資源エネルギー庁 住宅による省エネ
結露の発生が抑えられる
玄関ドアの断熱性が高まると外気の影響を受けにくくなります。その結果、玄関内が冷え込みにくくなるため、結露しにくくなります。結露は玄関内の湿度を高める為、カビや住宅の劣化に繋がります。また、家の中の温度差が大きいと家族の健康に悪影響を与えることがありますが、温熱環境が調っている家では高齢者がいても安心です。
参考資料 建築の結露と健康性
断熱効果のない玄関ドアとは?
*断熱対策で室内には内窓を設置したので、玄関部分も室内の快適な室温の逃げ道にならぬよう、断熱ドアをご採用頂きました事例です。
ここ数年内に新築した住宅のほとんどは、開口部が断熱化されています。開口部とは、窓と玄関ドアと勝手口ドアです。一方、築年数が20数年以上になると、開口部が断熱化されていない住宅が少なくありません。そのような住宅には、木製玄関ドア、又はアルミの玄関ドアがつけられています。
木製玄関ドアは、高級感があり、玄関周りのイメージを向上させることから、多くの人に好まれています。そして熱を通さない木の持つ性質から、断熱性も高さも備えています。ただ、熱の出入りの要素には、面からの出入りと隙間からの出入りがあります。
木製玄関ドアの場合、ドア本体は熱を通さないのですが、築年数の長い家ではドアの枠とドア本体の間に隙間が生じていることが多いのです。住宅の歪みから隙間が発生することもあれば、木製玄関ドアが紫外線や雨風の影響で、収縮したり反ったりしたために隙間が発生することもあります。その結果、隙間から冷気が侵入し、玄関内が寒くなってしまいます。
木製玄関ドアの後に多く使われるようになったアルミの玄関ドアには断熱性がありません。木製玄関ドアのように塗装が剥げることがなく、軽くて扱いやすい上に、耐久性も高いことから、木製玄関ドアの後には、アルミの玄関ドアが多く使われるようになりました。ただ、木製玄関ドアの玄関内よりも、寒い環境がつくられてしまうという欠点があったのです。従って、築年数の長くなった住宅に使われている玄関ドアの多くは、断熱効果のない玄関ドアです。
■ 木の美しさが際立ち、高級な質感を持つ木製玄関ドアは、玄関周りの雰囲気にこだわりのある人にとって、憧れの玄関ドアではないでしょうか?加えて木製玄関ドアは、高い断熱性を備えた優れた玄関ドアです。ただ、定期的に塗装を繰り返さないとカビが発生する、塗装が剥げるなどお手入れの大変さがあることに加え、高額なドアでもあります。
玄関引き戸の特徴
引き戸は、ドアの前方にデッドスペースが生まれない、通行する際にドアを押さえる必要がないなどの良さがある他に、通行の幅を拡げられるという良さがあり、玄関ドアから交換したいという方もいらっしゃいます。特に、2枚建ての引き戸と同じ間口に、袖付2枚連動引込み戸を取り付けると、通行の幅が拡がり、ベビーカーや車いすでの出入りが楽にできます。
袖付2枚連動引込み戸とは、3枚の引き戸の内、2枚を動かせる引き戸です。引き戸2枚分、間口の3分の2まで開口部が拡がります。玄関ドアから交換できる玄関引き戸の中で、内引込み戸の次に広い通行の幅が得られます。バリアフリーを意識したリフォームでは人気が高い引き戸です。ただ、そこで気になるのは引き戸の断熱性です。
YKKAP玄関引き戸の断熱性
引き戸の玄関を断熱化したい、玄関ドアから引き戸に交換したいという場合に、玄関ドアのような断熱ができるのだろうか?という疑問を持つことがあると思います。断熱玄関引き戸にも断熱性能があるのでしょうか?
全面ガラス構造
YKKAPの断熱性を備えた玄関引き戸は、ガラス部分が全面ガラス構造になっているので、一般的な引き戸よりも断熱性が向上しています。また、築年数の長い住宅では、家全体の歪みから建付けが悪くなり、隙間風が冷気を侵入させてより玄関内を寒くしています。
気密性の向上
玄関引き戸の交換の際には、レールも交換するので開閉しやすくなるとともに、隙間風による冷気の侵入が抑えられます。ガラスは複層ガラスの他に、遮熱タイプのLow-E複層ガラスも選べます。遮熱タイプのLow-E複層ガラスは、断熱の他に、夏の日射熱が玄関内に侵入するのを抑え、涼しい環境を創ります。
■ 玄関ドアのリフォームを検討する際、引き戸に変えたいという希望は少なくありません。引き戸には玄関ドアにはない利便性があるからです。防犯性が低下するのではないか?鍵にリモコンキーなどの電気錠は使えるのか?間口は足りるのか?など、引き戸に交換することへの不安や疑問を解決して、引き戸へのリフォームを成功させましょう。
玄関が寒いという悩みは断熱ドアへの交換で解決しませんか?暖かい家へのお手伝いをさせてください。
窓屋窓助は、窓・玄関・エクステリアリフォーム専門店です。
私達は、窓・玄関・エクステリアのリフォームを通じて、地域の皆様の夢や暮らしに貢献させていただきたいと願っています。窓や玄関での断熱を検討される際には、ぜひご相談ください。お住まいに合わせた最適なプランを提案させていただきます。