ドアの開け閉めがギーギーうるさい!場合の対処方法〜窓助マメ知識〜

ドアの開け閉めがギーギーうるさい!場合の対処方法

玄関ドアを開け閉めする度にギーギーと異音がすると、きっちり閉じなくなってしまうのではないか?動かなくなったらどうしようなど、不安に感じられるのではないでしょうか?

開け閉めの際の異音にはいくつかの原因があり、蝶番のオイル切れなどはDIYで手軽に解決できます。異音の原因ごとに対処法を確認していきましょう。

玄関ドアの異音の種類と原因

玄関ドアの蝶番の構造

玄関ドアの異音には、修理が必要な異音と自然に消える異音があり、それぞれの原因には主に部品がスムーズに動かなくなったことと、玄関枠の歪み、天候の変化が挙げられます。

蝶番の潤滑剤切れによる異音

ドアを開け閉めする度おこるギーギーという異音の原因のひとつは、蝶番がスムーズに動かなくなっていることです。

蝶番は玄関ドアと枠の側面に取り付けられている部品で、蝶のような形をしているので蝶番と呼ばれていますが、その他に丁番やヒンジという名称もあります。

このコラムでは蝶番という名称でお話を進めますが、どの場合にも丁番やヒンジと同じ意味合いです。

ドアとドア枠を繋いで、ドアを開けたり閉めたりさせる働きをする部品で、開閉の際に余計な摩擦がおきないよう、潤滑剤が使われています。摩擦が起きると、部品が傷んだり、異音が発生したりするからです。

ただ、新築から時が経つと次第に潤滑剤が減っていく為、摩擦がおこり異音が出てしまいます。

蝶番の歪みによる異音

異音の原因には、蝶番が歪んでいることも考えられます。羽根の部分が変形したり、心棒が歪んだりしていると、蝶番がスムーズに働かず開閉がしにくい、異音がするなどの異常が発生します。

蝶番が歪む原因は玄関ドアに重い物がぶつかる、大地震が発生するなど、大きな衝撃を受けたことが考えられます。そのようなことはおこっていないという場合であっても、木造住宅は経年で徐々に歪みが生じます。

小さな地震の揺れの蓄積や、住宅の重みなどによって家全体に歪みが生じて、ドアや窓の開閉がしにくくなっていく現象は、住宅の歪みによるものです。

その結果、蝶番に負担がかかり羽根や心棒が変形してしまうこともあり、異音の原因になってしまいます。

この場合は、専門の修理業者に依頼して蝶番の交換をすると、異音が解決されることもあります。ただ、蝶番を交換しても玄関ドアの枠への圧迫は解決されません。その為、一定期間を過ぎると、同じことが繰り返される可能性があります。

ドアクローザーの不具合による異音

 

玄関ドアのドアクローザー

ドアクローザーは、玄関ドアの上部と枠を繋ぐように取り付けられている部品です。ドアがバタンと閉まらないように油圧を利用して自動的に調整する働きをします。

蝶番に問題がなかった場合、ドアクローザーの不具合によって異音が発生するケースもあります。

潤滑剤切れ

蝶番と同じように潤滑剤が経年で不足してしまうと異音が発生することがあります。ただ、ドアクローザーにはオイルスプレーが使えません。オイルスプレーを使うと、製造時に塗られていたグリスが剥がれ、より事態を悪化させることがあります。

その為、専門の修理業者に依頼して必要な個所にグリスを塗ってもらう方法が確実です。また、専門の修理業者は始めの点検で異音が出ている個所を特定できるので、DIYで無駄な作業を試行錯誤する必要がありません。

ネジの緩み

ドアクローザーには複数のネジが使われています。このネジが必要以上に緩んでいると異音が発生することがあります。ただ、これらのネジはドアの開閉のスピードを適切に調整できるようしめつけられています。もし、しめつけすぎるとドアが重くなってしまいます。

その為、ネジの緩みの調整はDIYではなく専門の修理業者に依頼しましょう。

太陽光による異音

きしみ音ではないのですが、ギシギシ、パキパキなどの異音が聞こえることがあります。この異音は不具合によるものではないので心配ありません。

玄関ドア・引戸は表面積が大きいため、太陽光を直接受ける室外側と太陽光を受けない室内側で温度差が生じやすくなります。
この温度差により室内外面にわずかなゆがみと、たて横・大小の構成部材間で異なる熱膨張とが重なって生じる摩擦により、異音が発生することがあります。
これは気温・立地条件・季節・使用材料の特性などの違いにより起きる現象であり、必ず発生するものではなく、ドアや引戸の不具合ではありません。
音は太陽が高くなって直射日光が当たらなくなったり、夕方になり日が陰ると自然になくなります。

引用:YKKAP株式会社 お客様サポートよくあるご質問 

DIYでできる蝶番の修理の方法と専門業者に依頼する修理

玄関ドアの蝶番に使うオイルスプレー

蝶番の動きが悪くなったことが原因で異音が出ている場合には、潤滑剤を使うことで解決する場合があります。潤滑剤を使う方法は2つありますので、確認していきましょう。

DIYでもできるオイルスプレーを使う方法

蝶番は2枚の金属板(羽のような部分)を軸となる心棒が繋げて、両方の金属板を回転させ、ドアを開閉させています。この中心にある心棒の部分にオイルスプレーを吹きかけるだけです。

他の部分にオイルがついてしまったら、乾燥してシミにならないようすぐに拭き取っておくことが大切です。

オイルスプレーにはクレ556、シリコンスプレーなどがあり、ホームセンターで購入できます。ただ、この方法は手軽ではありますが、効果が高いとは言えません。一時的な処置と考えてください。

専門業者に依頼するグリスを使う方法

玄関ドアが製作された際には、グリスというオイルより粘り気のある潤滑剤が使われていました。この潤滑剤を再び蝶番に使うと、オイルスプレーより確実な効果を上げられます。

ただ、この方法はドアを持ち上げて蝶番から外して心棒を出し、そこにグリスを塗らなくてはなりません。その為、DIYではできず、専門の業者に依頼する必要があります。

DIYや部品交換では解決できないドアの異音の原因

玄関ドアの不具合を調べる業者

オイルスプレーを使ってみたが異音が解決しなかった場合や、専門の業者に部品を交換してもらったが、しばらくしたらまた異音がするようになったというような場合には、異音の原因が住宅の歪みである可能性が高いです。

異音がすると同時に、他の問題も発生しているのではないでしょうか?玄関ドアが開閉しにくい、鍵のかかりが悪い、室内にも開閉しにくいドアや窓があるというような現象です。

このような状況になっている場合、住宅の歪みで玄関ドアの枠が圧迫され、異音がしていると考えられます。そのままにしておくと玄関ドアの下部が床をこするようになったり、完全に閉じなくなったりする恐れがあります。

解決する対策として最適な方法は玄関ドアの交換です。カバー工法という工事では、ドアを交換する際に、もとからあった玄関ドアの枠に新しい枠を取り付けるので、玄関枠の歪みが解消されます。

その上で新しい玄関ドアを取り付けるので、しばらくすると異音が再発するという心配がありません。大きな事故や災害がない限り、新築から間もない住宅の玄関ドアから異音がするということは考えにくいです。

異音がするということは、玄関ドアにその他の問題も発生している、または今後起こり始める時期がきていると考えられます。他の問題とは、施解錠する際、鍵に引っかかる感じがある、ドアが重いなどの不具合の他に、暑い、寒い、暗い、風通しが悪い、結露が発生するなどの問題です。

そのような問題がある場合には、異音は玄関ドア交換のタイミングと捉え、新しい玄関ドアへの交換をおすすめします。