窓ガラスの地震対策|割れてしまった時の対処法と予防策まとめ

窓ガラスの地震対策|割れてしまった時の対処法と予防策まとめ

地震対策のひとつとして窓ガラスが割れることを防ぐことも、二次被害を拡げないための重要なポイントです。

地震で窓ガラスが割れてしまう理由を知り、割れないようにする予防策を確認していきましょう。同時に万が一割れてしまった時に被害が拡がらないようにする対策や、割れた窓ガラスへの対処法も解説します。

地震で窓ガラスが割れる理由

地震で割れた窓ガラス

地震が発生した際に窓ガラスが割れてしまう理由はおもに3つあります。

窓枠の歪みによって割れる

地震が発生すると、揺れによって建物に負担がかかり歪みを生じさせます。その結果、歪んだ窓枠に圧迫されたガラスが割れてしまいます。

転倒した家具がぶつかって割れる

窓の近くに転倒防止をしていなかった家具があると窓にあたり、ガラスを割れてしまう恐れがあります。

物干し台や樹木などがぶつかって割れる

ベランダの物干し台や、庭の樹木が倒れて窓にあたると、ガラスが割れてしまいます。

家具や収納の扉などに地震対策をしていらっしゃるご家庭は多いと思いますが、よほどの地震でなければおこることのないベランダの物干し台や庭の植栽の転倒は盲点になりがちです。

窓ガラスが割れてしまった時の対処法

割れた窓ガラスの破片

窓ガラスが割れてしまったら、怪我をしないことと被害を拡大させないことが大切です。

怪我を防ぐ

ガラスが割れ、破片が飛び散っている状態では、足の怪我を防ぐ為に靴を履くことが最優先です。洋室ではスリッパを使っていることが多いと思うので、破片を踏まないよう注意しながら玄関まで靴を取りに行きましょう。

和室の場合は、手近にある本や箱などを利用して、破片をよけながらスリッパのある場所まで移動し、玄関に靴を取りに行きます。

室内に靴を置いておくことと、就寝前にはベッドや布団のそばに移動させておくことが予防策として役立ちます。

割れたガラスを片づける準備

平時であれば怪我の危険性がある為、割れた窓ガラスは窓の修理業者にしてもらうことと思いますが、地震発生時には自分でしなくてはならない状況です。

軍手とゴム手袋を重ねて使い、残った破片が降ってくる恐れがあるので帽子をかぶります。夏場であっても必ず長袖長ズボンで作業をします。

床に落ちたガラスの処理の手順

大きいガラスの破片を拾い、次にほうきで小さな破片を集めます。さらに粘着テープで細かい破片を取り除き、最後に掃除機をかけます。

この時、万が一細かい破片が残っていた時に備え、掃除機が壊れないようにストッキングを吸い込み口に輪ゴムなどで留めておくと、複数個所で窓ガラスが割れた場合、他の場所でも使えます。

サッシにガラスが残っている場合の対処法

割れたガラスがサッシに残っている窓

サッシにガラスが残っている場合、サッシごと外す方法は非常に危険です。ヒビの部分に布テープや養生テープを貼り付けてガラスが落ちてこないようにします。

布テープや養生テープには耐水性があるので、雨が降って剥がれてしまう確率が低いのですが、ない場合にはガムテープで応用できます。その後、段ボールで窓の室内側と室外側を覆います。

集めた破片の処理方法

割れた窓ガラスの破片処理に必要な用品

集めた破片は直接ポリ袋に入れると危険なので、新聞紙やチラシなどにくるんでから袋に入れ、その後段ボールに入れます。

割れた窓をカバーする

平時であれば業者に窓ガラスの修理を依頼できますが、地震発生後は、揺れが収まったとしても連絡が取れなかったり、すぐには来てもらえなかったりする状況になっています。

その為、サッシに破片が残っていなかったとしてもブルーシートや段ボールなどをガムテープで窓枠に止めて窓を覆いましょう。

地震が発生しても被害が出にくい窓ガラスの種類

地震に強いガラスと普通のガラスの比較

窓に使われるガラスの種類はたくさんありますが、その中で地震被害を最小限に抑えるガラスには網入りガラスと合わせガラス、そして強化ガラスの3種類が挙げられます。

最も地震に強い合わせガラス

防犯ガラスとして使われていますが、飛び散りを抑える働きがあるため、3種類の中で最も確実に地震に備えられるガラスです。

樹脂膜で接着された2枚のガラスが割れた際、ガラスを吸着する樹脂膜の性質がガラスの破片を飛び散りにくくします。

網が破片の飛び散りを抑える網入りガラス

ガラスの中に入っている金属製の網がガラスの破片が飛び散りにくくします。

火災が発生した際、ガラスが熱によって落下すると延焼が拡がってしまいますが、網入りガラスは落ちにくい為、防火ガラスとも呼ばれています。

そしてこの落ちにくさが地震の際のガラスの飛び散り防止に役立ちます。ただ、合わせガラスと比較すると、ガラス自体の強度が合わせガラスほど高くないので、地震の予防策に選ぶガラスとしては優先順位が下がります。

割れにくく長いヒビが入らない強化ガラス

強化ガラスと単板ガラスの割れ方の違い

強化ガラスは一般的なガラスと比較すると6倍の強度を備えているため割れにくく、万が一割れた場合にも長いヒビが入らず、細かな粒上になる性質があります。

ただ、飛び散りにくさを比較すると合わせガラスの方が優秀です。

地震が発生しても被害が出にくい窓の種類

地震に強い引き違い窓

窓の開き方タイプも地震が発生した際、被害の大きさに影響します。最も被害が出にくい窓は引き違い窓です。窓枠とサッシの間にゆとりがある為、ガラスに伝わる揺れの負担が少ないからです。

一方、最も被害を受けやすい窓はコーナー窓です。ガラスとガラスが2方向に組み合わされているので、サッシが受けとめる重みもガラスが受けてしまいます。

また、コーナー窓ほどではありませんが、FIX窓もガラスが固定されているので揺れからの圧力の逃げ場がありません。

割れてしまった時の被害を抑える予防法

地震被害に予防策としてカーテンを閉めた窓

割れにくいガラスにしておくことに加え、万が一割れてしまった時の被害を抑える予防策も大切です。

被害を抑えられるように家具を配置する

窓ガラスを割る恐れのある場所には家具を置かないことが、家具が倒れて窓を割る危険性を抑えます。

一方、窓枠の歪みによる圧迫で窓ガラスが割れる事態に備える為には、ベッドや布団を窓の近くに配置しないことも大切です。

窓枠に物を置かない

窓辺に置く小さな植物の鉢や小物はインテリアのアクセントになりますが、地震発生時には窓ガラスが割れる原因にもなりかねません。

布製の小物などであれば心配ありませんが、硬い物や重い物を窓辺に飾ることは避けましょう。

ガラスに飛散防止フィルムを貼っておく

合わせガラスや強化ガラスではない一般的な窓ガラスが入っている場合には飛散防止フィルムが役立ちます。ガラスが割れることと破片が飛び散ることを防ぐ効果があります。

カーテンを閉めておく

就寝時にはもちろんですが、レースのカーテンなど薄手のカーテンも吊り下げて昼間もカーテンを閉めておくようにするとガラスの飛び散りを防げます。

地震で二次災害を引き起こしやすい窓ガラス

窓ガラスが割れた場合、ガラスの破片による家族の怪我の他に、外部への二次被害も引き起こします。

平成23311日に発生した東日本大震災では、窓ガラスや外壁タイル等の落下が数多く見られました。
窓ガラスの破損や外壁、屋外看板等の落下は、人的被害を発生させるだけでなく、がれきによって避難や救援活動を妨げることとなります。

【窓ガラスについて】

昭和54年以前に着工された建築物の場合、窓ガラスの取り付けに硬化性パテを使っている場合があり、特に、硬化性パテを使ったはめ殺し窓ガラスは地震時に割れやすく、落下の恐れがあります。そのため、このような窓ガラスが道路や通路に面して設置されている場合には、通行人等に危害を与える恐れがあるため、大変危険です。
取り付けに硬化したパテが使われていないか確認し、硬化したパテが使われていたら、早めに改修しましょう。

【窓ガラスの改修方法の例】

1)網入りガラスに取り替える。

2)ガラス面に飛散防止用フィルムを貼る。

3)古い枠を残してひとまわり小さい安全な窓を入れる。

4)枠ごと古い窓を外して新しく安全な窓をつける。

引用:新潟市役所 建築物の総合的な地震対策

家の中での二次被害を防ぐ為、割れてしまった窓の対処は、怪我をしないことを最優先にしましょう。その為には、靴や軍手、ビニール手袋、帽子、養生テープ、ブルーシート、段ボールなどを備えておくことが大切です。

家の中と周辺への二次被害を防ぐ地震への窓の予防策は、合わせガラスにして割れない窓にすることと、窓を割る恐れのない家具の配置が最優先ですが、万が一割れてしまった場合に備えて、フィルムやカーテンといった予防策もしておきましょう。

窓の地震対策が不安な場合にはお気軽にご相談ください。

 

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窓屋窓助編集部

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