玄関ドアの枠を交換?注意点はある?
玄関ドアの交換には2つの方法があります。枠ごと交換する方法と枠は残して玄関ドアだけ交換する方法です。この方法の違いによって工事期間もリフォーム費用も大きく変わります。
また、選べる玄関ドアの種類も変わってきます。費用を抑えて最新の玄関ドアにする為にはどちらの方法が最適なのでしょうか?
Contents
玄関ドアの枠を交換と玄関ドアを交換の工法と費用の違い
玄関ドアリフォームを交換する方法には枠ごと交換する方法と枠を残して玄関ドアだけ交換する方法があります。
枠ごと交換する方法
玄関ドアの枠の周囲の壁と床を壊し、玄関ドアの枠とドアを取り付ける工事を行います。これは解体業者、廃棄業者、大工、左官、電気工事業者、クロス職人など、数多くの業種がかかわるとても大掛かりな工事です。
目的は玄関ドアの交換だけなのですが、ドアの交換以外に壁や床の解体工事を行い、それに伴って、クロスや床材を張り替えたり、大量の廃棄物を処理したりします。
その為、工事開始から完了までには1週間程度の時間がかかり、費用は100万円以上になることもあります。今の玄関より間口を広げたいという場合には、この方法が有効です。
枠を残して交換する方法
昔は玄関ドアの交換方法には、壁を壊す工事しかありませんでした。日数も費用も掛かることから、玄関ドアは古びて見栄えが悪くなっても、不具合が起きても、修理しながら使い続ける住宅がほとんどでした。
ただ、近年は壁を壊さずに玄関ドアの交換ができる工法が開発されました。既存のドアに新しい専用の枠を被せるカバー工法というリフォームです。玄関ドアの枠はそのまま活用するので、壁を壊す必要がなく、1日で工事が完了するというスピード感があります。
解体やそれに伴う廃棄物の処理、クロスや床材の張替えなどが発生しないので、費用も抑えられます。防火戸以外なら、工事費込み40万円以内で最新の玄関ドアに交換できます。それでは工事費込み40万円以内のドアではどのような効果が得られるのでしょうか?
工事費込み40万円以内での玄関ドア交換でできること
玄関ドアには複数の開き方タイプがありますが、その全ての開き方タイプが選べます。開き方タイプに応じて間口の幅が変わるので工事費にも違いが出ますが、最も広い間口の玄関ドアでも40万円でリフォームできる価格の製品があります。
開き方タイプによる工事費の違い
初めに玄関ドアの開き方タイプによる工事費の違いを確認しておきましょう。
片開きドア
1枚の扉のシンプルなドアです。工事費はおよそ10万円前後です。ランマの有無で工事費が変わりランマ無しだと10万円以下、ランマ付きだと10万円を少しオーバーします。
親子ドア
親扉と子扉で構成されています。交換の際に親扉と子扉のサイズを調整して通行の幅を拡げられます。工事費はおよそ12~13万円です。
片袖FIXドア
扉と袖で構成されています。交換の際に親扉と袖のサイズを調整して通行の幅を拡げられます。工事費はおよそ12~13万円です。
両袖FIXドア
扉と両側の袖で構成されています。交換の際に扉と袖のサイズを調整して通行の幅を拡げられます。両開きドアや袖付き親子ドアに交換できます。工事費はおよそ12~13万円です。
両開きドア
2枚の同じサイズの扉で構成されています。扉の幅は変更できません。袖付き親子ドアや両袖FIXドアに交換できます。
袖付き親子ドア
親子ドアと袖で構成されています。両開きドアや両袖FIXドアに交換できます。工事費はおよそ12~13万円です。
断熱
製品価格が10万円台の玄関ドアの中には非断熱のアルミ玄関ドアもありますが、20~30万円の製品価格の玄関ドアのほとんどは断熱機能を備えています。
玄関は長くいる場所ではないので、断熱機能は必要ないと思われるかもしれませんが、実は家の中の温度にも影響があります。
特に玄関とリビングが近い間取りの住宅では、玄関からの冷気がリビングのドアの下部を通り抜けてリビング内の暖房の効率を低下させていることがあります。同じ経路をたどってリビング内の暖かい空気は玄関から外に逃げていきます。
その為、ドアが断熱されていない玄関の住宅では、玄関内が寒いだけではなく、リビングの足元が冷えるなどの状況になってしまいます。また、断熱性の低い玄関ドアには結露が発生することもあります。
断熱の標準仕様はD4ですが、オプションでより断熱性の高いD2仕様も用意されています。製品の選び方によっては40万円以内でD2仕様をオプションとして追加できます。
標準D4仕様
断熱パネルドア+複層ガラス
温暖な地域では十分な断熱性能を発揮します。
オプションD2仕様
断熱パネルドア+断熱枠+辺縁部熱遮断構造+Low-E複層ガラス
新潟は寒さが厳しい地域なのでD2仕様がおすすめです。D4仕様と比較して枠もガラスも断熱性を高める部材が使われているので、寒冷地の住宅でもしっかりと断熱できます。特に家中の窓を断熱している住宅では、玄関ドアも断熱機能を向上させることによって、断熱窓の効果が十分に活かされます。
通風
玄関ドアの中には玄関ドアをロックしたまま風を通せるデザインがあります。このデザインのドアにする為に枠サイズを変える必要はなく、枠交換をしなくても採り入れられます。
また、片開きドア以外であれば親扉を通風できないデザインにしても、通風子扉と組み合わせて風を採り入れられる玄関ドアにできます。
窓のない玄関では玄関内に風が通らず、家中の空気が滞ってしまうことがあります。その結果、季節によっては湿度が高まってカビやダニ、嫌なニオイが発生してしまいます。また、浴室やキッチンと玄関が近い間取りでは、玄関内流れ込んできた水蒸気が結露を発生させることもあります。
ただ、玄関に風を通したいと思っても、玄関ドアを開放したままにしておくことは、防犯上危険です。網戸をつけるという選択肢もありますが、網戸は虫の侵入は防げても防犯の役目は果たしません。
また、間取りによっては夜間に家の中が外から丸見えになってしまうこともあります。風を通す玄関ドアなら、虫も外部からの視線も侵入して来ることがなく、防犯性も維持できます。
風を通す玄関ドアの特徴
- ・玄関ドアのロックをしたまま開けられる縦に細長い内開き窓がついている
- ・幅が狭いので腕を差し入れることができないので安全
- ・幅の狭さと型ガラスで外からの視線が妨げられる
- ・窓にはネットが取り付けられているので虫が入って来ない
風は狭い場所から入り、広い場所へと抜けていくことで通り道が拡がります。また、低い場所から高い場所へと抜けていくことで立体的な風の通り道が生まれます。この2つの要素によって、風を採り入れる玄関ドアに交換すると、家中に風が通り抜けていき、どの場所も換気が良くなります。
防犯性能が向上する
最も低価格の玄関ドアから最も高価格の玄関ドアまでの全ての玄関ドアには、標準仕様でピッキングやサムターン回し、こじ開けなどすべての侵入犯罪への対策が備えられています。
この最新の防犯性を備えたドアへの交換は、枠を交換せずに工事が進められます。
リモコンキー
製品の選び方によっては40万円以内でリモコンキーを導入することもできます。リモコンキーには後付けタイプもあります。ただ、始めから製品に組み込まれているリモコンキーの方が使いやすく防犯性も高いので、ドア交換の際に導入することをお勧めします。
リモコンキー付きの玄関ドアへの交換には、枠を交換せずに行うカバー工法が採用されています。
玄関ドアのリフォームを成功させるポイント
間口を広げたいなどの特殊な事情がある場合以外には、既存の枠の上に新しい枠を被せるカバー工法での交換の方が費用を抑えられます。そして費用を抑える方法にはもうひとつ考えておくべきことがあります。
それは製品価格の違いです。ほとんどの場合、施工業者によるこう工事費の違いはそれほどありません。それよりも費用に大きく影響する要因は製品価格です。玄関ドア交換の実績が豊富な業者ほど、メーカーとの製品の取引量が多いので信頼関係が厚く、仕入れ値が抑えられる傾向にあります。
また、実績が豊富な業者は現場での経験の多さが仕事に活かされている為、どのような条件下でも適切な工事をするので完璧に仕上がります。その為、業者選びで玄関ドア交換にかかる費用も仕上がりの満足度も変わります。施工実績が豊富で信頼のおける業者に依頼することが玄関ドアリフォームを成功に導きます。
玄関ドアの交換で活用できる国からの補助金
こどもエコすまい支援事業は、省エネ性を高めるリフォームへの支援を主な目的とする補助金です。玄関ドアや引き戸、窓の断熱化などの省エネ性を高めるリフォームとバリアフリー、防犯性向上などのリフォームを組み合わせることもできます。
玄関ドアの交換では、枠ごと交換する方法であっても、カバー工法であっても玄関ドアそのものの熱貫流率が基準です。その為、どちらの方法であっても補助金は申請できます。
ただし、申請する玄関ドアがこどもエコ住まい事業に登録された製品であることが必須条件の一つです。従って、枠は交換しなくても補助金を受けられますが、玄関ドアに取り付けられているガラスだけ交換する場合は、補助の対象になりません。
窓のリフォームには、最大200万円の補助金もらえる「先進的窓リノベ事業」があります。
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