勝手口って必要?メリットとデメリット対策はある?
昔の日本の住宅にはほとんど備えられていた勝手口ですが、近年は新築の際になんのために使うの?と疑問を持つ人がいます。また、自宅のキッチンには勝手口があるけれど使わないという人もいるかもしれません。
勝手口にはどのような用途があるのか、メリットよりデメリットが多いのかなどについて考えていきましょう。
勝手口とは?
勝手口とは、キッチンや洗面所に設けられている外に出られる出入り口のことです。裏口との違いは、表す出入り口の範囲の違いです。勝手口は戸建て住宅のキッチンや、レストランの厨房に備えられた出口を指す言葉、裏口は店舗や銀行の従業員の出入り口全般を指す言葉です。
そして裏口には勝手口も含まれ、玄関を表口と呼び、勝手口を裏口と呼ぶこともあります。また、裏口は裏側から出入りすることから、裏口入学など良くないことを表す言葉としても使われることがあります。
勝手口の用途とメリット
現代でも、コロナによって宅配が増えていますが、昔は、米や酒類などは近所の酒屋の小僧さんが御用聞きに回ってきて、その後注文した物を届けてもらうという家庭が多くありました。この時には、玄関ではなく、キッチンの勝手口が使われていました。
米や酒を直接キッチンに運び込めることと、来客や帰宅する家族の邪魔にならないようにする為です。現在では一般的な家庭では御用聞きが来ることはほとんどありません。その為、勝手口のない間取りの家に育った人は、なんのためにあるのか疑問に感じるのかもしれません。
ただ、勝手口には現在でも様々な用途があります。そしてその用途を満たすことによって、キッチンや洗面所の使い勝手が良くなるというメリットが生まれます。
キッチンや洗面所が直接外と繋がる
家族が外出・帰宅をする際や、お客様をお迎えする際には玄関が使われます。一方、勝手口のある住宅では、キッチンや洗面所から出入りする際には勝手口を使います。例えば購入してきた食料品を運び入れたり、ゴミを出したりするときです。
玄関を通らずに食料品の搬入やゴミ出しができる
玄関からキッチンが遠い間取りの場合、重い食料品を直接キッチンに運び入れられるので、手間が減ります。また、家の中で最も多くのゴミが出る場所はキッチンです。そのキッチンから勝手口を通れば、直接ゴミ出しでき、玄関で外出準備をしている家族の邪魔になりません。
洗濯を干したり取り込んだりする際の手間が減る
洗面所に勝手口があり、庭に洗濯物を干す場合には、勝手口を使って楽に洗濯物を干す場所に移動できます。洗面所は、朝は身支度を整える家族で混雑します。洗面所と室内を繋ぐ出入り口を通ると、朝の支度をしている家族の邪魔になってしまいますが、勝手口があればスムーズに外に出られます。
玄関を常にきれいにしておける
玄関はお客様をお迎えする表口なので、常にきれいにしておきたい場所です。もし勝手口があれば、玄関に泥汚れが持ち込まれる率を減らすことができます。家庭菜園で収穫した野菜や、庭遊びをした子どもについた泥は、勝手口から出入りすることで、玄関に持ち込まれずにすみます。
陽射しと風を採り入れる
勝手口ドアがガラス部分のあるデザインであれば、そこから陽射しが入ってきて、キッチンや洗面所を明るくします。さらに上げ下げできるタイプの窓がついているデザインなら、キッチンに窓がなくても、勝手口ドアの上下から風が出入りするので、換気が良くなります。
景観を採り入れる
勝手口まわりの環境にもよりますが、庭の植栽に面しているというような場合には、勝手口ドアのガラス部分から景観の良さが採りこめ、キッチンの雰囲気が向上します。
勝手口のデメリット
勝手口には主に2つのデメリットがあります。キッチンであっても洗面所であっても、部屋の中の環境に悪影響を与えること、そして防犯性を低下させることです。
部屋の中の環境に悪影響を与える
勝手口があるキッチンには、勝手口ドアから暖房の熱が逃げ、冷気が侵入してくるのでキッチンが寒くなるという問題が発生します。夏には勝手口ドアを通して太陽の熱が侵入し、冷房の効率を低下させることもあります。
キッチン以外の部屋も寒くなる
独立型のキッチンの場合、キッチンでの作業が辛いというだけです。ところが、ダイニングやリビングと並んでいる間取りでは、ダイニングやリビングなど他の部屋まで冷暖房の効率が低下してしまいます。
その結果、食事中にも寒さを感じる、寒さ暑さで食後の団欒が楽しめないので、家族は早々にそれぞれの部屋に引き上げてしまうというようなことになってしまうかもしれません。
入浴準備を寒い場所でしなくてはならない
洗面所に勝手口がある場合、入浴の支度を寒い洗面所でしなくてはならず、入浴で暖まっても、再び寒い洗面所で就寝準備をすることになってしまいます。このような状況は家族の健康にも悪影響を与えます。
防犯性が低下する
戸建て住宅への泥棒の侵入経路で最も多い場所は窓ですが、その次に多い場所が玄関や勝手口などの出入り口です。警察庁の調査では、玄関と勝手口は出入り口としてひとくくりにされていますが、この2つの出入り口を比較すると、勝手口の方が危険性は高いと考えられます。
玄関 | 勝手口 | |
見通し | 〇 | × |
無締り | 〇 | × |
鍵の強度 | 〇 | × |
ドアの強度 | 〇 | × |
ガラス破りのリスク | 〇 | × |
単純な比較ではありますが、勝手口の方が、玄関よりはるかにリスクが高いと思われませんか?
見通し
勝手口の周辺には、給湯機やエアコンの室外機、ゴミ箱、ストックヤードなど生活感の出るものが置かれている為、フェンスや植栽で目隠し対策をされていることが多くあります。一方、玄関はほとんどの場合、通りに面しているので、通りやお向かいの家からの視線が届きやすい状況です。
無締り
侵入強盗の手口の中で最も多い手口は無締りです。驚くことに半数以上を占めています。無締りには窓も含まれますが、玄関と勝手口を比較した場合、勝手口の方が施錠をしないことが多いと思われませんか?
例えば、仕事や行楽などで長時間家を空ける際に、玄関の施錠忘れをする人はほとんどいないと思います。一方、ゴミ出しや回覧板回しなどの為に勝手口から出る際には、わざわざ施錠しない人も多いのではないでしょうか?
鍵の強度
玄関の鍵は2ロックが標準で、その他にも様々な防犯対策が施されています。一方、勝手口ドアには鍵が一つしかない上に、その他の防犯対策も不十分な鍵がつけられていることがあります。
ドアの強度
玄関ドアと勝手口ドアの厚みを比較すると、勝手口ドアは玄関ドアほどの厚みがありません。その為、工具を使ってドア本体に穴をあけるなどの方法が使われてしまう恐れがあります。
ガラス破りのリスク
採光の為にガラス部分のあるデザインの勝手口ドアは、ガラス破りの恐れがあります。また、採風のできる上げ下げ窓の古いタイプは、外から操作しやすく、上げ下げして鍵を開けられてしまう恐れがあります。
勝手口のデメリットを解決する最新の断熱ドア
勝手口のあるキッチンや洗面所の室内環境は、勝手口ドアの機能で解決できます。
寒さ
勝手口ドアには、アルミドアもありますが、断熱仕様のドアもあります。もちろん、採風や採光もできるドアです。断熱仕様の勝手口ドアに交換すると、ドアの面からも、ドアとドア枠の間の隙間からも熱の出入りが抑えられるので、寒さが解決します。
防犯性
最新の勝手口ドアには、玄関ドアと匹敵するあらゆる防犯対策が施されています。残念ながらリモコンキーはつけられないので、無締りに対してはゴミ出しだけでも必ず施錠する習慣をつける必要がありますが、ピッキングやガラス破りなどのリスクは確実に低下します。
勝手口とはあると便利な裏口
勝手口にはデメリットもありますが、あると便利な出入り口です。家事負担を減らすことと、玄関周りと玄関内を常にきれいにすっきりさせておくことに役立ちます。もちろん、間取りやライフスタイルによっては、使わないというご家庭もあると思います。
勝手口のせいでキッチンや洗面所が寒くなったり、防犯性に不安を感じたりするから、ない方が良いと考える人もいるかもしれません。ご家庭によって考え方は様々ですが、勝手口を活用しているご家庭においても、古いタイプで防犯性の低い勝手口を使い続けると、デメリットの方が大きくなってしまいます。
勝手口を活用しつつ、勝手口のある部屋の環境を良くしたい、防犯の不安をなくしたいという場合には、お気軽にご相談ください。
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