勝手口が必要か不要かは使い勝手で変わる
勝手口は便利な出入り口ですが、近年は勝手口なしという住宅も増えてきました。防犯性や断熱性を低下させたくないと考える人もいれば、勝手口はいらないという考えもあります。確かに間取りとの兼ね合いで不要な場合もあります。
また、勝手口ドアの性能によっては断熱性や防犯性が低下します。そこで考えたいことは、勝手口の良さだけを活かす方法です。
勝手口が必要である理由
昔から、日本の戸建て住宅には勝手口が設けられていました。玄関は家族が出入りする場所であると共に、お客様をお迎えする場所でもあります。その為、門から玄関までのアプローチも含めて、玄関には余所行きの顔を持たせたいという考えもあるのではないでしょうか?
住宅の敷地内には、エアコンの室外機やガス給湯器、ゴミの仮置き場、又地域によってはガスボンベなどを置く場所が必要です。それらのものは、できるだけ表玄関の周辺には置かず、勝手口の周辺に配置するという住宅が多いことと思います。
そして、生活の利便性という面から考えても、勝手口には様々な必要性があります。
キッチンや洗面所と外が繋がる
間取りによって勝手口がキッチンに設けられている住宅も、洗面所に設けられている住宅もあります。
勝手口がキッチンにある住宅では、買い出ししてきた食料品を、玄関を通らず直接キッチンに搬入出来ます。この便利さをより活用するためには、徒歩の場合には門、自転車の場合には自転車を置く場所、車の場合には駐車スペースというように、買い物の手段に合わせた動線が役立ちます。
土間付きの勝手口なら、家庭菜園で収穫した野菜なども泥汚れを気にせず、家の中に持ち込めます。
洗面所に勝手口がある住宅では、洗濯物を干すスペースに直接出ていけます。また、どちらの場合も、玄関を通らず勝手口からゴミ出しができます。ストックヤードや勝手口に屋根がついている場合には、雨の日に洗濯物を干したり、ゴミの仮置きをしたりできるので、より便利です。
子どもがまだ小さく、庭で泥遊びをするような年齢であれば、遊び終わった後には洗面所の勝手口から入れれば、すぐにシャワーを浴びさせてきれいにできます。庭のプール遊びの後にも、玄関をビシャビシャにしないですみます。また、家に入ってすぐに手洗いうがいができます。
明るく風通しの良いキッチンや洗面所になる
ドアのデザインにもよりますが、ほとんどの勝手口ドアは採光と採風ができるようなデザインになっています。その為、キッチンや洗面所が明るく風通しの良い場所になります。
キッチンでは魚を焼いたニオイなどが気になる時には、勝手口ドアの窓を開けてすぐに換気ができます。洗面所では乾燥機や入浴による結露の発生を換気によって防げます。
このような良さは、勝手口のある生活では当たり前すぎて、改めて便利であるとか、勝手口があって良かったとは感じられないものです。一方、勝手口によってもたらされる問題点には焦点が当たりやすく、勝手口を塞いでしまおうか…と考えるケースもあります。
勝手口はいらないと考える理由
勝手口はいらないと考える理由には、キッチンや洗面所の室温管理の難しさと、防犯への不安が挙げられます。
キッチンや洗面所の室温管理の難しさ
採光と採風ができる勝手口ドアは、暖房の熱や冷房の涼しさが逃げやすいドアになっていることがあります。そのような場合には、冬には、暖房の熱が逃げるだけではなく、勝手口からの冷気の侵入で足元が冷える状態になる、夏の午後は勝手口からの日射熱でキッチンや洗面所の温度が上がるというような状態が発生します。
キッチンは日に何度も作業をする場所ですので、そのような環境になってしまえば、キッチンでの作業が苦痛になってしまいます。また、洗面所がそのような状態になれば、入浴準備や入浴後の支度を寒い場所でしなくてはならなくなり、家族の健康にも悪影響が出てしまいます。
防犯への不安
玄関ドアと比べると、勝手口ドアの鍵は簡単に開けられてしまいそうな気がする…という理由から、勝手口の防犯性を心配される方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、玄関は余所行きの顔にしている分、勝手口周辺には生活感が出るものが多いので、目隠し用に植栽やフェンスを設けている住宅も少なくありません。
目隠し用の植栽やフェンスは、「通りから生活感が出ているスペースへの視線を防ぐ」という目的は果たしますが、同時に「周囲からの見守りを遮断してしまう」という面もあります。防犯には鍵の強化などの対策も必要ですが、ご近所からの目が防犯に役立っているからです。
侵入者の目でお宅をチェックしたことがありますか? 侵入者は、下見を怠りません。狙われにくく、侵入されにくい「防犯住宅」にするためには、まずは狙われやすく、侵入されやすい住まいを知ることです。
勝手口はいらないと考える前に、使い勝手を良くする工夫をしませんか?勝手口はあると便利な出入り口です。寒さや暑さへのストレス、防犯への不安から勝手口を塞いでしまおうと考える前に、それらの問題を解決しませんか?勝手口ドアの選び方で、キッチンや洗面所の室温管理がしやすくなり、防犯性をあげることができます。
夏涼しく冬暖かいキッチンや洗面所にする勝手口ドア
寒い、暑いなどの室温管理の難しさや防犯性への不安から、勝手口を潰して窓に変えてしまおうか…と迷っていらっしゃるなら、それらの問題を解決できるリフォームを計画しませんか?
最新の勝手口ドアに交換するだけで、防犯の不安のない、冬暖かく夏涼しいキッチンや洗面所に生まれ変わります。
寒さが解決される
断熱性がない勝手口ドアが設けられているキッチンや洗面所では、冬になると暖房をしてもなかなか暖まらない、足元が冷えるというような状況になってしまいます。間取りにもよりますが、キッチンとダイニングが並べられている間取りでは、キッチンでの作業中だけではなく、食事中にも寒さを感じることがあるのではないでしょうか?
リビングにまで勝手口からの冷えが、床を伝わって拡がってくることもあるでしょう。そうなってしまう理由は、勝手口ドアから暖房の熱が逃げてしまうことと、隙間からの冷気がキッチンや洗面所を寒くすることにあります。
勝手口のドアには断熱性のあるドアと非断熱のアルミドアがあります。築年数が十数年以上の住宅では、ほとんどの場合、非断熱のアルミドアが使われています。その場合には、勝手口ドアが閉じていても、ドアの面を熱が通り抜けていってしまう為、暖房の効率が低下します。
このような問題は、断熱性のある勝手口ドアに交換すると、ドアの面からの熱の流出が防げられる為手軽に解決します。
また、住宅には経年によって歪みが発生します。この歪みの影響は、窓や家の中の出入り口、玄関など、どこに出るかは異なりますが、開口部の建付けを悪くしたり、隙間を生んだりします。
勝手口ドアも同じで、開閉がし難い、鍵がかかりにくいなどの現象が起こることもあれば、隙間が生じてそこから冷気が侵入することもあります。ドア交換の際には、カバー工法という新しい枠を被せる工事が行われますが、この工事によって建付けの悪さが解決される為、隙間風もなくなります。
暑さが解決される
採光と採風ができるデザインの勝手口ドアには、明るい、換気ができるという良さがある一方、勝手口の向いている方角によっては、夏の室温上昇が著しくなってしまうことがあります。
このような環境にある勝手口の場合、Low-E複層ガラス(遮熱タイプ)が入った勝手口ドアに交換すると、太陽の直射熱を遮ることができ、冷房が効率よく働くようになります。
防犯性の不安がなくなる
勝手口は周囲からの見通しが悪い為、玄関より不法侵入しやすい環境にあるにもかかわらず、玄関はツーロックなのに鍵が一つしかついていないというドアの住宅は少なくありません。
そのような勝手口ドアであれば、防犯性の不安を感じるのは当然です。ただし、現在では勝手口ドアにもピッキングを防ぐツーロック、こじ破りを防ぐ鎌錠、サムターン回しを防ぐ脱着サムターンなど、防犯対策が施されているので、防犯の不安はありません。
◆ ドア錠こじ破り ドアと壁の隙間にバールなどの工具を押し込み、てこの原理でドア錠を破壊して侵入する手口。強引な方法ですが、通常のドアや錠では短時間で侵入されてしまいます。
◆ ピッキングピックと呼ばれる金属製の特殊工具を鍵穴に入れ、ドアの錠を短時間で開けるという手口。ピッキング手口に対応した錠でなければ、1分もかからず開錠されて屋内に侵入されてしまいます。
◆ サムターン回し 玄関ドアの外側からドリルで穴を開けるなどして、サムターン(内側のドアロック用つまみ)を強引に回して侵入する手口。壊したドアスコープや取り外したドアノブの穴、ドアと壁の隙間などに特殊工具を挿し入れてサムターンを回すこともあります。
勝手口はあると便利な出入り口です。その便利さは当然すぎて気がつかなくなっていることもあると思います。なくなってみると、不便になったと後悔することもあるかもしれません。それよりも使い勝手を良くすることが大切です。
寒さや暑さ、防犯への不安は勝手口ドアの交換で解決できます。勝手口ドアのことでお困りの際にはお気軽にご相談ください。
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