窓リフォームのカバー工法とは?費用はどのくらい?
窓を断熱化するリフォームには、窓交換と内窓設置、ガラス交換があります。この3つのリフォームのうち、カバー工法という工法で窓を断熱する方法が窓交換です。カバー工法でする窓交換には、工事時間と費用を抑えられる良さがあります。
なぜ工事時間を短くできるのか、また具体的にはどの程度の予算でできるのかということを見ていきましょう。
窓交換に使われるカバー工法とは?
カバー工法は窓を取り外した後に、今ある窓枠の上に新しい窓枠を被せた上で、新しい窓を取り付ける工事の方法を指します。壁を壊さないのでクロスや床板の張替えも必要なく、シンプルに窓の交換だけができ、ひと窓につきおよそ半日で工事が完了します。
カバー工法での窓交換で解決すること
短い時間でできるカバー工法での窓交換ですが、複数の室内環境への悩みを解決します。
部屋の寒さを解決
暖房をしているのに部屋がなかなか暖まらない、暖まってきても足元が冷えるという状況の原因には、窓から暖房の熱が逃げて行ってしまうことと、窓から冷気が侵入してしまうことが挙げられます。
窓やサッシを通して逃げていく熱は、断熱性の高い窓への交換で改善します。断熱の高さは交換する窓のガラスとサッシの選び方で変わります。
窓の断熱性能は、ガラスとサッシの組み合わせにより決まります。サッシを木やプラスチックを使った断熱サッシにしたうえで、ペアガラスを入れることが理想ですが、ガラスをペアガラスとするだけでも大きな効果があります。
隙間からの冷気は窓交換の際に建付けの悪さが解消されることで改善します。建付けが悪い状態は、経年によって木造住宅に発生する現象です。住宅の重みや地震の揺れから受けた影響で、長年かけて徐々に家の中の様々な場所に歪みが出てしまうことが原因です。
歪みが出た住宅では隙間風が増えるだけではなく、窓やドアの開閉がし難くなることもあります。カバー工法での工事の際には、的確に採寸して歪みの状態を把握し、その上で工事をします。その結果、窓枠と窓の間にできていた隙間がなくなり、冷気の侵入が解消されると同時に、開閉のし難さも解消します。
窓の断熱化には窓そのものの断熱機能だけではなく、気密性を向上させることもセットで行うことが理想的です。窓交換なら建付けの悪さが改善されるので、断熱性と気密性をセットで向上させられます。
風通しの悪さを解決
窓交換の特徴の一つは窓の開き方タイプを変えられることです。引き違い窓には、対面に窓がないと風が通りにくい部屋になってしまうという弱点があります。風が壁に沿って逃げて行ってしまい、室内に入って来ない為、風通しが悪くなるという状況です。
このような問題は、縦すべり出し窓に替えることで解決できます。壁に沿って逃げていく風が、外に滑り出した窓のガラスにあたって室内に入ってくるからです。引き違い窓のサイズによっては連窓に交換すると、より多くの風を採り込めます。
室内の雰囲気をおしゃれにする
十数年前までの窓枠は、白、黒、グレー、ブラウンなどのアルミ色がほとんどでした。こだわりの注文住宅の中には木製の窓枠という贅沢な窓枠もありましたが、高額なので一般的ではありませんでした。
一方、窓交換の窓に使われる窓には、木目調カラーのサッシの窓が用意されています。新築時に木製の窓枠には憧れたけれど高くて手が出なかった…という方も、フローリングと調和する窓枠ならもっとおしゃれな雰囲気になるのになあ…と思っている方も、満足できる窓枠に替えられます。
夏の室温上昇を抑える
窓の向いている方角によっては、太陽の熱によって室温が上昇、冷房の効果が出にくい環境の部屋になってしまうことがあります。そのような部屋はLow-E複層ガラス(遮熱)の窓に交換すると、夏の室温上昇を抑えられます。
カバー工法ではできないこととデメリット
カバー工法では、窓の開き方タイプを変えることの他に、窓のサイズを小さくもできます。ただ、窓のサイズを大きくしたり、位置を変えたりすることはカバー工法の窓交換ではできません。窓のサイズを大きくしたり、位置を変えたりしたい場合には、はつり工法という工法でする必要があります。
また、カバー工法のデメリットとして、新しい窓枠を被せる分、サッシ部分の幅が拡がり、ガラス部分が小さくなるということがあります。掃き出し窓ならそれほど気にならないのですが、高窓などによく使われる背が低く横幅の広い窓では、ガラス部分のサイズの減少が気になる人もいるかもしれません。
窓交換のリフォームにかかる費用
住宅の窓を交換する方法には、壁を壊すはつり工法と壁を壊さないカバー工法があります。カバー工法が開発される以前は、壁を壊さなくてはならなかった為、窓の交換をする住宅は多くはなく、ガラス交換が一般的でした。
カバー工法
カバー工法では窓交換に際して、壁を壊さないのでクロスや床板の張替えも必要なく、シンプルに窓の交換だけができます。その為、掃き出し窓ひと窓に対して10~20万円の費用で窓交換ができます。10~20万円費用の幅は、ガラスとサッシの選び方によって変わります。
アルミ樹脂複合サッシは樹脂サッシより費用を抑えられます。ガラスは複層ガラス→Low-E複層ガラス→トリプルガラスの順に製品価格が上がっていきます。
YKKAPのサイトに記載されている窓交換の参考価格
参考価格(引違い窓)商品代 + 工事費
大 | 中 | 小 |
幅 160 ~ 190cm高さ 190 ~ 200cm | 幅 160 ~ 190cm高さ 90 ~ 110cm | 幅 70 ~ 80cm高さ 90 ~ 110cm |
約 26〜36 万円 | 約 18〜25 万円 | 約 15〜22 万円 |
引用:YKKAP 樹脂窓ラインアップ
この費用の幅は、ガラスの種類、サッシの種類、サイズによるものです。
新潟エリアでの窓交換の費用
窓交換の費用(製品価格+工事費) | 腰高窓 | 掃き出し窓 |
複層ガラス+アルミ樹脂複合サッシ | 約13万円~20万円 | 約19万円~26万円 |
Low-E複層ガラス+アルミ樹脂複合サッシ | 約15万円~22万円 | 約21万円~29万円 |
新潟エリアでの窓交換の価格について詳しくはこちらからお問い合わせください。
はつり工法
はつり工法は、窓交換ではできない窓のサイズを大きくしたり、位置を変えたりすることができます。また、窓のサイズや位置を変えない場合でも、現在の窓よりガラス部分だけが小さくなってしまうという現象も起こりません。ただその分、非常に手間がかかる工事です。
窓枠周辺の壁を壊して窓枠を取り除き、壁の修復と窓枠の設置を行うからです。腰高窓の場合、室内のクロスの張替えだけですみますが、掃き出し窓であれば、床板の張替えも必要になってきます。
その為、窓を交換するリフォームに対して、大工、建具屋、クロス職人、さらに窓のサイズを大きくする為にコンセントの位置を変更しなくてはならない場合には電気職人など、多数の職人さんがかかわります。
2階の窓であれば足場を組む費用も発生します。さらに壁を壊すので廃材の処分もしなくてはなりません。その為、職人さんのスケジュール調整によっては、窓交換工事の完了までに1週間以上かかってしまうこともあります。
複数の窓を交換する場合には、ひと窓に対する単価は少なくなっていきますが、カバー工法に比べて費用は高く、掃き出し窓ひと窓に対して30~50万円かかります。この費用の幅は、窓まわりの状況や足場の有無、窓のサイズ変更の割合など、様々な要因によって発生します。
窓交換のリフォームで使える補助金
こどもみらい住宅支援事業 開口部の断熱改修
- 交付申請期間 2021年11月26日~2023(令和5)年3月31日
- 対象となる製品 事務局に登録された型番の製品を使用
- 事業者 こどもみらい住宅支援事業に登録した事業者
- 補助額
ガラス交換 2,000~8,000円
内窓設置・交換、外窓交換 14,000~21,000円
ドア交換 28,000又は32,000円
- 補助金の上限額 30万円/戸
補助金への注意点
補助金は「省エネ基準地域区分に準じた窓」にすることが応募要項の一つになっています。新潟の地域区分は4地域と5地域です。地域によって定められている断熱基準を満たした窓にする必要があります。
4地域 外皮平均熱貫流率 UA (W/㎡K)0.87
小千谷市、十日町市、村上市、魚沼市、南魚沼市、阿賀町、湯沢町、津南町、関川村
5地域 外皮平均熱貫流率 UA (W/㎡K)0.75
新潟市、長岡市、三条市、柏崎市、新発田市、加茂市、見附市、燕市、糸魚川市、妙高市、五泉市、上越市、阿賀野市、佐渡市、 胎内市、聖籠町、弥彦村、田上町、出雲崎町、刈羽村、粟島浦村
窓のリフォームは家全体の温熱環境を向上させ、暮らしを快適にします。今回は窓交換の方法をご紹介しましたが、目的や予算に応じて、内窓やガラス交換という選択肢もあります。
室温や風通し、騒音など暮らしの快適にかかわる問題は、窓のリフォームで解決することが少なくありません。解決したい問題がある場合には、お気軽にお問い合わせください。
関連コラム
窓交換・玄関リフォームなら専門店の窓屋窓助へ
私達は、窓・玄関・エクステリアのリフォームを通じて、地域の皆様の夢や暮らしに貢献させていただきたいと願っています。窓の断熱や、玄関ドアの交換を検討される際には、ぜひご相談ください。お住まいに合わせた最適なプランを提案させていただきます。
窓屋窓助とは?
窓屋窓助では標準価格に加えてお値引きなどが効くキャンペーンも月替わりで行っております。ぜひご利用ください。